Zephyr Cradle Diary


2021.06.30 (Wed)

[Game] SCARLET NEXUS カサネ編クリア(ほぼネタバレなし)

久々のゲーム日記。スカネクことSCARLET NEXUS。

https://snx.bn-ent.net/

ひとまず1周目を終えて2周目に入ったところ。1周目は取得可能なメンバーの最強武器を取り終えて、30時間ほど。

ダブル主人公のゲームで、最初にどちらの主人公でプレイするかを選択して始める感じ。お話の大筋は決まっているものの、主人公によって所属する勢力が分岐するので、要はどっち勢力でプレイしますかーっていう感じになっている。選ばなかった方ではどんなことが起きていたんだろうか? というのも楽しめるので2度美味しい(はず)。すれ違いだらけのお話だけど。

大臣さんは言うまでもなくカサネ編(右の女の子)から始めました。

初めてPS5ネイティブに作られたゲームをやったのだけれど、最初に驚いたのはやはりR2/L2ボタンのアダプティブトリガー。この2つのボタンで念力を使って周囲のブロックやら車やらを敵にぶち当てて遠距離攻撃できるんだけど、ボタンの押し込みの圧力に変化が起きるんですな。念力でモノを投げようとするときだけ押し込みに負荷が掛かってボタンが押しづらくなる。PS5のコントローラーにこんな機能あったのかと驚いたけど、これはなかなか没入感というかプレイしてるなっていう感じがあるなあと思って面白い。

ただまあ、道端に投げられるものが多すぎるので、歩いてるだけでもコントローラーが常にカチャカチャと小さな音を立ててる(たぶん内部でボタンの圧力を変えてるんだろうと思う)のはちょっと気になるかな……。そりゃこんな機能積んでたら電池の減りも早いわと思ったりもした。

ゲームとしてはアクションRPGの分類かな? 話数ごとに行けるところが増えたり、仲間が増えたり減ったりする。仲間が減るときはだいたいもう一方の主人公側の勢力に行っちゃったりする(ストーリー進行で固定)。

バトルでは、主人公(どっちも)の持つ超脳力は念力で、通常攻撃に加えてそこらへんのモノをぽいぽいとぶん投げて遠距離攻撃もして戦うスタイル。主人公しか操作できないので基本は念力なんだけども、仲間キャラの能力を一時的に借りて炎をまとったり、透明化したり、瞬間移動できたり、透視したり出来るという感じ。敵やステージのギミックもそれらの能力に合わせて作られてるので、プレイしてて楽しい。あーこいつは近寄ると隠れちゃうから瞬間移動や透明化して近づいて殴るのねー、とか。

バトルは全体的に爽快感が溢れてるし演出も気持ち良いので、やってて楽しい。

ただ、なかなかシビアだなと思ったのは主人公が死んだら即ゲームオーバーというところ。1乙でゲームオーバー。稀に仲間キャラが起こしてくれることもあるんだけども、割と起こしてくれないので、HP管理はとても大事。回復アイテムが尽きて死ぬって感じではなくて、調子に乗って殴り続けてたら大攻撃食らって死んだわ、みたいな感じ。回復は怠らないようにしましょう。仲間キャラがちょくちょく回復アイテム使ってくれるので結構自分のHP見てないことが多い。

さて、問題はストーリー。

いや最初に言っておくとストーリー自体は良かった。すべての人間が脳から直でネットに繋がってて脳内コンピュータで色々出来るっていうSFの世界観、どこからともなく現れる怪異に怯えて生きる市民、それを守るための政府や怪伐軍……といった中二病世界設定は大好物だし、大筋の流れもちゃんとダブル主人公向けによく出来てたし、手に汗握る展開もあったし、キャラクターもみんな個性があって良かった。

会話シーンがイマドキ珍しい紙芝居方式(要するに止め絵)なのは、最初は驚きはしたけどもこれはこれでテンポが良いし、変にキャラのモーションを最後まで見る必要もないしで意外とコスパは良いのかもなと好意的に思えるようにはなった。重要なシーンではしっかりモーション付きのシーンになるし、そこからスムーズに紙芝居へ移行したり戻ったりするから、動きのあるシーンがアクセントになって良いのかもと。

で、微妙だなーと思ったのは2点ほど。

1点目は最序盤のお話。

こんだけ良い世界設定を盛り込んでいるのに、冒頭から「いますれ違ったあの人カッコ良かったね~」とか「あの子かわいかったね」とかいきなり惚れた腫れたの話をし出したりとか、怪異に突然街が襲われて逃げまどってるところに軍の有名な人が現れたら「キャー○○さーん!」とか逃げてた住人やNPCが持て囃したりするの、はっきり言って興醒めだった。こんだけ設定盛ってシリアスな話に持ってくのかなとか思ってたらそんな俗っぽいとこ見せられて何??? っていう。

OPで、ゴッドイーターよろしく適合試験みたいなのさせられて、いよいよこれから恐ろしい魔物たちに立ち向かう生活が始まるのだな……と思わせておいてそれかよ、と。なんかもうちょっと良い導入の演出とか、もっとじっくりキャラや世界観を描いてから挟むとか、そういうのを工夫して欲しかったなあ……と思わざるを得なかった。まあ、チャプター3くらいまで耐えればあとはそういうのないので。

2点目は、全体的なお話の描(えが)き方。

メインストーリーに色々詰め込みたいことは分かったのだけど(実際面白いのだけど)、どうにもセリフが噛み合ってなかったり、話題の変え方が無理矢理すぎるところが多々見受けられた。このシーンでこの設定の話をしなきゃならないんだろうけど、この緊急事態の状況でそんな無理矢理な話題の振りしたり、悠長に話したりする!? ってのが多すぎて、ちょっと描き方が急ぎ足すぎるのでは……っていうのが残念だった。テキスト量(ボイス量)に何か制限でもあったのかしらと邪推してしまうレベル。ストーリーがメインなんだからしっかりじっくりと描いて欲しかった。

あとこれは大した話ではないのだけど、会話が常時オート再生+ログがないのが地味に苦痛だった。会話が始まると止められない。止められないのはまだ良いとしても、ログがないので読み返すことも出来ないので理解が追いつかないときがたまにあった。ちなみに2周目に入ってから、スキップボタン押して「スキップしますか? はい/いいえ」のダイアログを表示してる間は会話を止められることに気付いた。

……とまあ文句はこの辺にして。

細かい突っ込みどころはあるにしても、全体的な構成とかキャラの描き方は好きだった。特にキャラごとに用意されている絆イベント(いわゆるキャラクエ)は、各キャラの個性をしっかり描いてくれていた。この絆イベントに関しては話題の振り方が無理矢理って感じもなくてライターが違うのかなとか思っちゃうくらいには安心して読めたし、キャラも好きになれるなーって感で良いですね。

絆イベントは主人公ごとに内容が異なるので、ボリューム的には2倍あるというお得感。カサネ×ハナビと、カサネ×ツグミがめっちゃ好きでした。敵対してる勢力のキャラとも絆イベントが発生してのんきにお茶したりするのは、いっそ振り切っててギャグとして見れたので面白かったです(当人たちは全然ギャグじゃないんだけど)。

他には、全体的にカメラワークが好きでしたね。ストーリー演出の大半が紙芝居ということはつまりカメラが固定されているので、演出としてイイ絵で毎回止まってくれているのが、これがまたなかなか見応えあって好きだった。グラフィックもイイ感じの雰囲気で統一されてたから、一枚一枚が本当に「絵になる」ンですよね。これは思ったよりも面白い表現だぞと。

こういう表現のことを(若干批判の意味を込めて)「紙芝居」って呼んじゃうのがいけないのかも。どっちかというと漫画に近い表現ですね。この↓のスクショとか、この止め絵表現でなければ作れない絵作りだなーと感じる。

なお止め絵とはいえ衣装を変えてると全部反映されてるし、止まったカットからそのまま動くシーンに移行することもあるので、本当に単にシーンを止めてるだけなんだなあと思うとちょっと凄いなって思えた(少なくとも自分は)。

あと、主人公の1人であるところのカサネの性格付けがめちゃくちゃ良かった

この子は無愛想で思ったことをズバズバ言うタイプのキャラなのだけど、実際蓋を開けてみると嫌味かと思われていたのが本心から言っている(例えば「貴方のその能力は凄いんだから」というセリフは嫌味じゃなくそのまま褒め言葉だった)、と周りのキャラが気付き始めてからが面白かった。この子、実は表裏がなくてめちゃくちゃ芯が通ってて、しかも褒めるのが上手い。徐々に変わっていくところの描き方も良かった。無愛想キャラで主人公が出来るのなんてFF7のクラウドさんくらいかと思っていたけど、こういうタイプも居たか! と普通に好きになってしまった。しっかりと主人公してる。

あとこれはどうでもいいんだけど、カサネはデラックスエディションにだけ付いてる赤い衣装がめっちゃ好きです。

そんなカサネ編を終えて、ユイト編(男主人公)をやっているのだけど、ストーリー的にはカサネ編を先に見ておいて良かったなあと感じている。割と話の核心に触れることが多いのはカサネ編かもしれない。ユイト編だと周りで何が起こってるか分からないまま周囲に振り回されて、ストーリーがふわふわしたまま進んでしまってる感じがする……。その点、カサネ編だと目的が一貫してるのでお話はとても読みやすかった。もしユイト編に何か微妙さを感じたら、先にカサネ編をやるのが良いかもしれない……。

でもユイト編は幼なじみのハナビがかわいいので。この子ほんと良い子です。全部好き。

それと音楽は、ペルソナっぽいお洒落な曲だったり、シリアスなピアノ曲だったり、ギターとバイオリンがかっこいいボス曲だったりと、とても良いゲーム音楽っていう感じで良いですね大好物。ただ、デラックス版に付いてきたデジタルサウンドトラックはSteam版以外だとPCに落とせないのが使い物にならなさすぎたので要望を送りつけておきました。何卒よろしくお願いします……。

そんなこんなでたっぷり楽しんでいるスカネク。トロコンまで目指してみようかなーって感じで、ひとまずユイト編を進めていこうかなと思います。それが終わったら、最後に3周目でもう一回カサネ編やって締めようかなー。

ちなみに体験版もありますので興味あれば是非に。

最後に、めちゃくちゃどうでもいい話なんだけど、スカネクの公式サイトのURLが「snx.bn-ent.net」なんですけども、バンナムにSNXって略称使われると咄嗟に「サモンナイト エクステーゼか!?」と変換してしまうサモンナイト民だよ。

【追記】

ユイト編の感想はこちら