Zephyr Cradle Diary


2023.11.09 (Thu)

[Game] 降魔彩風(R-18)(ほぼネタバレなし)

えっちなゲーム、しかも同人ゲーの感想を書くのは初めてかもしれない。でもそれくらいに自分にぶっ刺さったゲームだったので書いておきたいので書きます。紹介したいのはRPG部分なのでえろ部分の話はほぼしません。

なおゲーム内にある実績はコンプした。隠し要素が2つほど分からなくて攻略サイトを見たけど他は全部自力で取った。裏ボスも自力で倒した。体感で20~30時間くらいはプレイした気がする。

パーティーメンバーは基本的に主人公1人で、普通にシナリオを進めていくタイプのRPG。といってもワールドマップはなく、シナリオ進行で進んでいくダンジョン探索がメインで、親友がさらわれたり狙われたりするのから守ったり守られたりするお話です。女主人公でかつ親友も女の子なので概ね百合なんですが、主人公の性格がほぼおっさん(褒めてる)で親友にハァハァしてる感じなので百合えろみたいな感じはない。それで良い。

装備品はアクセサリ2箇所と刻銘2箇所の計4箇所で、ここでパッシブスキルのビルドを選べる感じになってて楽しい。物理に振るか術に振るか、あとは悪魔特効とか、そういうのもここにある。まあボス戦だと状態異常防止が確定で欲しいので1枠は使ってしまうのだが。

終盤にFFで言ういわゆるリボン装備(全状態異常無効)が手に入るのも好印象。やっぱりね、終盤にめっちゃ強い装備が手に入るってのはとても良いことなんですよね。そういう快感ですよ。

このゲームが一番特徴的なのはバトル要素。

単に攻撃するのとは並行して、こちらには「構え」という要素がある。毎ターン防御方向を3つの中から選んでおく(上のスクショの画面左上に出てる黄色い矢印)のだけど、

  • 敵のすべての攻撃には方向指定がある
  • 敵の攻撃と同じ方向の構えを設定して攻撃を受けると被ダメを減らせる
  • 敵の同じ攻撃は毎回同じ方向指定がされる
  • 構えで受けることに成功した敵には不利状態が1ターン付く
  • 不利状態の敵の次の攻撃に対して、正しい方向指定で「一心」(カウンタースキル)を使うと、確定で攻撃回避(被ダメ0)かつカウンター成功する

このカウンターがめちゃくちゃ重要で、バトルのテンポとしては「正しい構えで受けて相手に不利付ける」→「正しい構えで一心でカウンターする」→以下繰り返し、という感じになる。敵の行動は、敵の名前の下に「何の攻撃で」「どの方向か」が表示されているので、それを見てメタっていく感じだ。コレがテンポ良くてめっちゃ気持ち良い。

敵の行動は見えると書いたが、これにもいくつかランダム要素がある。

  • 初めて会った敵の行動は「???」表示になり、敵の行動も方向も見えない
  • その敵と戦った回数が増えたり経過ターンが進むことで、行動が見える確率が徐々に上がっていく(ボスはたぶん100%にはならない)
  • 敵の行動は見えるが方向は見えない、という場合もある。が、このゲームでは同じ行動は同じ方向への攻撃であると決まってるので、前に受けた攻撃の方向を覚えておくのが必要
  • 行動や方向が見えなくても、敵の立ち絵の変化を見て敵の行動を推測できる場合もある(特にボスの大技系)。同じ立ち絵に変わったときは同じ行動をしてくると決まっている
  • 敵のバフやデバフには方向指定がないのだが、ある程度進めると、敵のバフ・デバフ行動に対する構えも覚えられる
  • えっちな攻撃してくるやつもいるが、それも構えが合ってれば回避可能
  • 敵は最大で3体同時に出てくることがあるが、当然3体とも違う方向の攻撃をしてくることがある

など、メタゲームながらに非常に戦略性があってとても楽しい。いやなんかもう、ずっとやってても良いくらいにめちゃくちゃ楽しかった。

なお裏ボスは、このルールの中で「行動や方向が絶対に見えない」というバフを常時纏っている。敵の立ち絵の変化を良く見つつ、この行動の次はこれをやってくる、などの傾向から対策を打って戦う感じで、めちゃくちゃ白熱した。裏ボスは10回くらい戦ってやっと倒した感じだった。楽しかった~~~。

敵にカウンターを決めると崩しゲージが溜まっていき、崩しゲージがMAXになると、主人公の持つ妖刀の能力である「奪う」という特殊な追加行動を取ることが出来る。

この「奪う」がバトル的にもストーリー的にもめちゃくちゃ良く出来てて見ものなのだが、取り敢えずバトル要素として特徴的なところを挙げると、

  • スキルを奪う:敵の技をラーニング出来る。敵の大半にはラーニング技が設定されていて、その技でそのダンジョンのボス攻略が有利になったりする
  • 能力を奪う:このゲームはロマサガのようにレベルがなく、敵を倒したときにランダムでステータスが上がったり上がらなかったりするのだが、ここで能力を奪うすると確定でステータスが1つ上がる。かつ、敵にその奪ったステータスに応じたデバフが付く
  • 持ち物を奪う:いわゆる盗むだが、アクセやイベントアイテムが盗めることもある

ラーニング、私の好きな言葉です。FFの青魔道士とか大好きな大臣さんにはクリティカルヒットでございます。しかもさー、敵が戦闘中に呼び出す別のモブ(呼び出しでしか来ない)からしか覚えられない技とかもあって、いやーそういうの好き、大好きです! って感じだった。

……と、たくさん書いてしまったが、バトル要素が個人的にかなりツボで、本当にRPGとしてどハマりしてしまった。

もちろんダンジョン探索もこだわりがあって良かった。

RPGツクールながらもこんなギミック作れるんだなあという感心が大きかったし、ギミックに遭遇するたびに小気味よい会話があるのがとても好印象だった。主人公のこざっぱりとした性格もとても好み。ギミックの解き方や解く順番に応じて会話に微妙な変化があるのもこだわりを感じた。いやもうテキストが良いというのは大変良いことなんですよ本当に。聞いてるかオクトパストラベラー。

周回要素もあって、強くてニューゲームがちゃんと用意されている。2周目以降はステータスの成長限界が上がるのでより強くなれるし、その状態でなければ裏ボスは勝てないような強さになっているのも良い。ちなみにマルチエンドだが、1周で全部見れるように終盤でフラグ切り替えできる配慮がされている。めちゃくちゃ助かる。ルートによってラスボスも変わるので展開が熱い。

また、周回せずとも、過去のダンジョンで取りそびれたアイテムは終盤でもちゃんと取りに戻れるというのが賢い。そうなんだよ現代のRPGに求めてるのはこれなんだよ。取り返しの付かない要素とか要らない……とまで言わないがあったとしてもやり直せるようにして欲しいんですよ1周のプレイで。

ということで、全実績コンプするくらいにはたっぷりと味わいつくしてしまった同人RPGだった。こんな何気なく触ったえろげーがめっちゃ自分の好みのタイプのRPGでしたなんてこと、この先なかなかないと思う。あ、もちろんえろ要素も良かったです。

あとクリアしたエンドロールで、特定のラスボス曲をきみどりルクスさんが書いてるぞってのを見て3度見くらいした。このルートのあの話のあの展開からこのラスボスの専用ギミックと専用ボス曲ってことでテンション上がりまくったのでめっちゃ良かったですね……。Sound Cloudからも聴けますのでよろしければどうぞ。

ということでゲームの配信ページはこちらですが、普通にR-18のえっちなゲームなのでご注意下さい。あと別パブリッシャーからSteam版も出る予定だそうです。

戦闘システムもキャラクターもめちゃくちゃに好みだったので、次回作に期待してます!(もう1作のフィリアのほうの続編もね)