Zephyr Cradle Diary


2023.07.03 (Mon)

[Game] FINAL FANTASY XVI(ネタバレなし感想)

アクションフォーカスモードで全サブクエ、全モブハントを終えた状態でクリア。60時間ちょっと? PS5のプレイ時間の表示はあんまり当てにならないのでアレだけど。

  • グラフィック/演出:5
  • バトル:5
  • 召喚バトル:4
  • シナリオ:3
  • 音楽:2
  • UIや操作感:3
  • 総合:3

PがFF14と同じ吉田ということで、ならばFF14(特に漆黒暁月)を越える体験をお出ししてくるだろう……という謎の期待を持ってしまったのが良くなかった。特にシナリオへの期待値を上げすぎていた。失敗した。

何はともあれ、体験版部分(タイトルロゴが出るところまで)は本当に素晴らしかった。ゲーム開始からあの2~3時間くらいに詰め込まれた怒濤の演出と体験は本当に素晴らしいし、全人類が体験すべき体験版だと思う。本当に凄い。「PS5を買ったら取り敢えず黙ってFF16体験版落とせ」と全人類に言える。

とにかくグラフィックと画面演出(というかカメラ演出)が素晴らしい。これによるバフがもの凄い。ほぼ映画を見ているような感じだ。映画の中の主人公を操作できるワクワク感もあるし、その上にド派手な演出の召喚獣バトルだ。これで熱くならないわけがないというもの。

そこまでが実質的なオープニングということで、その後から探索したり武器作ったりモブハントしたりクエストこなしたりというRPG要素が増えてくる。

残念ながら、体験版部分の体験が本当に鮮烈すぎたせいで、それ以降は逆にRPG要素が足を引っ張っている感は否定しきれない。クエストやモブハントがあるせいで「やらなければならない感」が出てしまい、それらをやるたびにまあまあテンポが落ちる。全部無視したほうがテンポ良く楽しめたのかもしれない(進行順に全部やった)のだが、とはいえ自分の普段のプレイスタイル的に無視するのは辛いので後悔はない。

ストーリーの感想については別途ふせったーででも語ることにして、バトルについて。これまでのコマンド式バトルを捨て去りアクションバトルとしており、まあほぼモンハンになった。これが良かった。

基本はとにかく回避だ。敵の動きを見て、敵の攻撃に合わせたジャスト回避(だいぶ判定を甘くしてくれているお陰でめっちゃ発生するし、楽しい)からの攻撃連打、というのが基本スタイルで、これが非常に爽快感があって良い。敵もほぼみんな予兆行動をしてくれるのでほぼ初見でも回避出来る(テンポを掴みづらい敵も居るが)。

最初から使えるフェニックスシフトというスキルが、敵に向かって最速で近寄るというやつなのだが、これが全くもってFF15のシフトで大変良い。FF15のシフト、めちゃくちゃ好きだったンですよね。やはりFF15は完成されていたよな……と思うなどした。

敵のウィルゲージとやらを削ると敵がダウンするので、そこに持てるスキルを全部たたき込んで高打点をたたき出すゲーム。それがFF16。ここがバーストのしどき! という感じでアクション的な爽快感は非常に高い。

自分は結局のところボス戦で高打点たたき出すのはギガフレアと斬鉄剣が中心になった。モブ相手では転生の炎がクソデカ範囲過ぎて楽しいのでめっちゃ使った。まだ感知されてない敵にまで当たって無駄に敵を呼び寄せたりしたけどそれも含めてクソデカ範囲すぎて楽しい。

これだけグラフィックが良いにもかかわらず、マップ移動時のロードが1~3秒程度というのは非常に素晴らしい。Now Loadingの文字が一切出ないので本当に地続きでプレイ出来るこの体験はなかなかに素晴らしかった。ロード時間だけで言えば原神(PS5版)もこのくらいなのだが、それをきちんとゲームの方向性とセットで落とし込んでいるのがとても良いのだ。

リアルタイムレンダリングとカットシーンの切り替えも非常にスムーズで、一見するとどちらになっているのか判別が付かないレベルになっているのも体験を引き上げてる。カットシーンでもしっかりと今の装備が反映されるので本当に一目では分からない。髪のサラサラ感と肌のツヤツヤ感でだいたい判別してた。

そりゃあ、これをPS5以外の、もっとロードやレンダリングが遅い環境も加味した環境に向けたチューニングもするとなると骨が折れそう……というよりもこのPS5に特化したチューニングだからこそ出来た演出も多々あろうというのは察して余りあるので、半年早くPS5にだけ専売したというのは英断であろうと思う。環境を統一しているからこそのこの体験なんだろうなあと。

ちなみにゲーム開始時のタイトル画面も、2度目の起動からはメーカーロゴすら全スキップでいきなりタイトル画面だ。これも素晴らしい。そう、これだよこれ。これをFFがやってくれてありがとう。他の据え置きゲームも見習ってほしい。

一方で、自分が不満たらたらだったのが音楽だ。

映画みたいな画面演出をしているくせに流れているのがゲーム音楽なので脳がバグる。メロディがうるさかったり、情緒をかき立てない音楽だったりと、音楽の作りや使い方が本当に画面に合ってない。

またFFのメインテーマやプレリュードのアレンジが時々入るけど、それもまた合ってない。そのせいで曲調が無駄に明るかったりしてシーンの邪魔をする。FFが枷になってるなと感じた。無理に使うくらいなら捨てろよそんな枷。

またちょっとしんみりしたシーンや感動的なシーン、あとは後半のフィールド全曲と、とにかくピアノ曲がめちゃ多用されているのが気に食わない。あのグラフィックにピアノ曲、全然あってない。どのシーンももっと普通にオーケストラでガツンと鳴らした方が圧倒的に効果的で感動的になると思うのだが……予算切れた? とにかく要所要所でピアノソロが多すぎる。

FF16の音楽は本当になんというか、「お前ら(FFプレイヤー)、こういう音楽を流しておけば嬉しいんでしょ?w」って思われている気がしてならなかった。プレイヤー舐めんな。

UIというかシステム周りも、なんとなく「もっさり」とした感じがある。メニュー画面は無駄に視点を動かさなくていいから。そういうのいいから。あと画面切換はもっとサクサクしてくれていい。ロードのためだろうけどいちいちゆっくりと暗転する必要ないから。あとワールドマップは他に比べて特段ロードが遅いので、メニューで間違えてワールドマップを開いたときに画面が遅くて辛かった。ワールドマップはメニューに入れなくて良かったよ、分けてほしかった。

またメニュー以外でも、クエストとかで主人公のクライヴが人からモノを受け取ったり渡したりするシーンで、いちいちゆっくりとモノを渡すモーションを見させられるのが苦痛。×ボタンで飛ばせるか、渡しながらセリフも喋れや。渡すモーションだけあんなにじっくりと見させられる意味はなんなんだ。しかも結構な頻度で何度も見させられる。

あとは、用語解説として用意されてるアクティブタイムロア。この試み自体は面白いなと思ったけど、それよりもまず優先して用意すべき機能があるでしょ。会話ログだ。このゲーム、会話ログがない。会話がオートで進む(オートを切れない)にも関わらず会話ログがないのはやめろとSCARLET NEXUSのときにも僕は言ったよね、やめてね。

今作のFF16には、良い要素はもちろん沢山あるのだが、一方で不便だったり不満だったりも同じだけあった。正直なところ手放しで素晴らしかったとは言えない。やはり体験版部分が最高潮だったのは否めない。令和のファイナルファンタジーとして触ってみるのはアリだろうとは思うのだが……。

時間的な制約なのか予算的な制約なのかは分からないが、もうちょっとしっかり作り込めただろうと思えてしまうのは残念だった。特にシナリオと音楽。この2要素が完全に足を引っ張っていると思った。

しかしグラフィックと演出、バトルはしっかりと良く出来ているので、それを楽しむためにも触れてみるのは悪くないのかもしれない。

追記:ネタバレ感想↓