Zephyr Cradle Diary


2020.05.01 (Fri)

[Game] 聖剣伝説3 Trials of Mana

そう、待ちに待った聖剣3リメイク。自分はこんなにも聖剣3が好きだったのかと再確認をさせられたのが、今回のリメイクこと3ToMだった。

Twitterでは散々荒ぶったけれど要約すると、発売前の体験版ではその時点のレベルカンストまでしっかりやって準備万端にし、発売翌日にはクリアして周回モードになり、発売から1週間で正味5周(毎回裏ボスクリアまで込み)をしたという怒濤の1週間だった。ここまでで60時間超え。ちょっと自分でもよくわかんない。

5周のパーティー編成は以下の通り(左から主人公、仲間1、仲間2の順)。

  • 1周目:リース・アンジェラ・シャルロット
  • 2周目:デュラン・リース・ホークアイ
  • 3周目:シャルロット・ケヴィン・リース
  • 4周目:アンジェラ・リース・シャルロット
  • 5周目:ケヴィン・デュラン・ホークアイ

毎回リースを入れているのは語るまでもなくリースが最推しだからなのであるが、それはそれとして、今回のプレイで改めてシャルロット主人公のお話が凄く良いなと感じた。散々やり込んだ当時からもう20年以上も経っているわけだからほぼ新鮮な気持ちでプレイ出来たのだけれど、最後まで旅の動機が一番しっかりしていたのはシャルロットなのではなかろうかと(同点タイでリース)。

ヒースを助けたいというのが最初から最後まで一貫していたし、あの見た目とセリフと年齢のギャップは、なかなかに感じさせるものがあった。あんだけ口が悪くて毒舌なのにエルフとのハーフなので15歳、自称・美少女。幽霊が怖い、泳げない。お前それ盛りすぎでは? あと他の5人はだいたいストーリー中のセリフはだいたい似たり寄ったりなんだけど、シャルロットだけセリフ回しが全然違うってのも、改めて優遇されてるなと感じる一因。

1周目にシャルロット主人公をやるのはあまりオススメ出来ないが(セリフ回しがシャルロットだけ変なので、まずテンプレの会話の流れを他のキャラで見てほしい)、2周目以降には是非とも1度はプレイしてもらいたいなと思う。

さてそれはそれとして、リメイクの総評としては100点満点中、7兆点です。

グラフィックがそれこそイマドキのドラクエっぽい感じにアップグレードされながらも、まずサウンドが聖剣3。アレンジされていると銘打たれてはいるものの楽器構成そのまま、たぶん楽譜もそのままで、原曲を大事にしまくっている。詳しくはサントラの試聴を聞いてもらえれば分かると思われる。

そんな音に包まれながら、マップは3Dになりながらも構造やギミックはほぼそのままだし、敵も味方も3D化されてるだけで本当にそのまま。使ってくる技も同じ。ぱっくんおたまはかわいいし、ダークプリーストもかわいいだぎゃー。ブースカブーとかかわいさ3倍増しくらいになってたし、移動速度もたぶん3倍くらい速くなった。赤くはなってない。

挙げ句の果て、ストーリー上のセリフや街の人のセリフが、およそ観測と記憶の範囲ではまったく改訂がない。このご時世にこのSFC時代の文章が受け入れられるとは到底思えなくて、実際プレイし始めたときには脳がだいぶ混乱をしていたのだけど、まあ数時間もプレイしていれば普通に慣れてしまった。恐ろしきかな、声優の力。声優がしゃべってるのを聞くと、なんかもうセリフが変とかそういうのどうでもよくなる。

つまるところ目と耳から入ってくる情報が聖剣3なのだから、これはもう間違いなく聖剣3なのである。

それでいて、当時若干の不便さを感じていた成長システムはきちんと今風になっていた。

オリジナル版ではレベルアップと同時に成長ポイントを振らねばならず、それでいてクラスごとにステータスへ振れる上限が決まっていたので、特にクラスチェンジ前に全ステ上限になってしまった状態でレベルが上がってしまうと成長ポイントが捨てられていた。それが今回のリメイク版では、クラスごとのステータス上限は残りつつも成長ポイントはいつ振っても良い(振らなくても良い)になったので、心置きなくレベル上げ出来るようになった。そうそう、これだよ我々が聖剣3に求めていたのは! という改変だった。

成長で得られるアビリティについては、オリジナルになかった完全新規要素。最初はこんなの要るか? と思っていたけれど、蓋を開けてみればこれが良い具合に各クラスの特徴を更に差別化する要素に仕上がっていた。

リースで言えば、バフ全体化出来るスターランサーとデバフ全体化出来るフェンリルナイト以外は従来見向きもされなかったように思うけど、今作は例えばドラゴンマスター(闇光)はデバフ全体化は出来ないながらも、アビリティの「敵へのステータスダウンが成功したとき、自分に同ステータスアップがかかる」というのがあって、こういうもので完全に差別化するようになった。正直今回のリースはドラゴンマスターが最強だと個人的には思う。あ、ヴァナディースはそれでも今回良いところないです、露出も減るし。

そしてリメイクの追加要素の「追加エピソード」と「クラス4」。いずれもオリジナル版のラスボスを倒した後に触れられるようにしたというのは凄く良い決断。つまりラスボス倒すまではオリジナル版と何ら追加要素がない状態でプレイが出来るのである。この配慮!

追加エピソードに関しては、本当にあっさりとした内容で、悪い言い方をすれば取って付けたような内容。ただ、この追加エピソードが大ボリュームだったり今風な話だったりしてもそれはそれで釣り合いが取れないと思うので、個人的にはこれで満足。そう、こんなので良いんだよ。聖剣3の話は完成されているんだから追加するものなんてもとよりほとんどないのだよ、と思う。ただデュランの追加エピソードに関しては、ちょっとそれはどうよと思う。デュラン主人公でドラゴンズホールのあの話の後にあれは、ちょっと趣味が悪いのでは(デュラン主人公じゃなければ気にならないと思う)。

クラス4に関しては、みんなこういう上位職とか好きだろうから大歓迎なのである。大好きです!!

光と闇でそれぞれ1つしかないのはなんでだろうと思っていたら、その途中の経過クラスによって性能差が出るから、ということだったんですな。リースで言えばヴァナディースを経たクラス4と、スターランサーを経たクラス4では、見かけやクラス名は同じでも習得しているアビリティに差があるので全くの別性能になる。なるほど巧く考えたなと思う次第。一通りのクラス4を見てみたくなってしまうというものですな。

各ボス戦に関しては、基本的な攻撃方法は残しつつも3DアクションRPG向けのアレンジを良い具合に加えてきましたね。随所にFF14を思わせるようなギミック処理が入ってくるのはめちゃくちゃ笑ってしまったのだけど、でもそうだよねこうなるよねという想いもあって、難しすぎず簡単すぎない良い塩梅になったのではないでしょうか。

リメイク版での神獣の強さについて、個人的な評価ではダンガード(風)>ライトゲイザー(光)>ザン・ビエ(火)>ドラン(月)>フィーグムンド(水)>その他、といったところかなと。オリジナルではドランが強すぎたのでどの順番で倒すかを悩んだりもしたのだけれど、今回はダンガードとライトゲイザーが異様にやりづらくなってた。ダンガードはとにかく視点の問題が大きいけれど。ライトゲイザーは跳ねすぎ。ギミック処理させてる最中に跳ねるなよズルいわ。

なおリメイク版の全体を通して一番強い(やりづらい)ボスはジェノア。やってみれば分かるよ……。

そういえば今回初めてブラックラビと戦いました。当然のようにトロフィー対象。

いやあ、オリジナルの頃から知ってはいたんですが、プレイしていた当時は周りに誰もブラックラビの存在を教えてくれる人が誰もいなくて、存在を知ったのは随分後になってからだったんですよね。なのでプレイし直すこともせず今日に至る、という次第で。戦ってみて強さに爆笑した。詠唱がめちゃ早いし、攻撃が痛いし、ヘルサザンクロス撃ってくるのはめちゃくちゃ笑った。リメイク版追加の裏ボスより強いわ!

やはりブラックラビは良い隠しボスだったんだなと本当に思いますね。良く出来てる。

そういえば今回声優が付いたわけですが、凄いなと思うのが、聖剣3の独特のフラグ管理というか、「パーティーに誰が何番目にいる」「パーティーに誰がいない」によるセリフが全部ちゃんと収録されているのと、「どこそこでこういう行動を取ったときに変わるセリフ」がちゃんと再現されていること。

パーティーに居る居ないは条件として分かりやすいんだけども(リースにちゅーするホークアイは許さない)、行動による変化もちゃんとオリジナルから引き継がれてるのが凄かった。もはや執念を感じる。プレイする(した)皆さんは是非とも色んなパターンの行動を取って、ちゃんと変化する会話や展開を拝んでおこうな! 下記は例だよ。全部オリジナル版からあった会話の変化だよ。

  • ワッツからニトロの火薬を「購入」したあと、ノームを助けずに大砲屋でフォルセナに行く
  • 賢者ドン・ペリと会う前に風の回廊の入口で風神像が邪魔しているのを自分で目撃している
  • 神獣を4体目倒して以降、ネコ族のジョセフィーヌから聞けるペダンの情報を聞かないまま、神獣7体倒す

それとエンディングの映像も、パーティーにシャルロットが居たか居なかったかで変化しますね。どうして変化するかは、シャルロットを入れてクリアすれば分かるという具合で。

聖剣3はパーティー編成によって色んな変化やパターンがあるから、色々探して楽しんで貰いたいんだ……。

追加の裏ボスを倒すと「強くてニューゲーム」が解放される。

3勢力のルートをちゃんと見るとなると当然最低でも3周はするはずなので周回はもはや前提なわけだけども、強くてニューゲームが用意されているのは本当にありがたい。レベルや装備、リンクアビリティを引き継ぐだけでなく、周回時にもらえるリンクアビリティの「経験値+300%」がめちゃくちゃやりやすい。実質的に4倍だし、そこにサボテン君ボーナスも更に乗る。

強くてニューゲームで選べるセーブデータは裏ボスまで倒したデータである必要があるので、毎回裏ボスまで倒さないとなのが若干面倒ではあるけども、それでも1周あたり10時間程度で回れるので、3周するくらいなら40時間程度でいけた。是非とも軽い気持ちで3周プレイして、3勢力の結末を拝んでほしいところ。

そんなこんなで、最高のクオリティで蘇った聖剣伝説3。非常にオススメ以外の言葉が全く出てこないので、この自粛祭りの中で時間が割けるならば是非ともプレイしてみて貰いたい。PS4とSwitchには引き継ぎ可能体験版もリリースされているのでとっつきやすいですよ(Steam版はバグが見つかって体験版が取り下げられたが、製品版はあるのでご安心を →5/2頃にSteamの体験版も復活してました)。

ちなみに、アンジェラがゲームバランス壊すレベルで強すぎるのでその点はご承知置きを。もうね、めちゃくちゃ強い。びっくりするくらい強いので、自分で制限かけたくらいに。

え、7兆点の内訳? リースのクラス1衣装がえっちすぎるのが6兆9千億点だよ。