Zephyr Cradle Diary


2011.07.03 (Sun)

[Game] Rewrite(5) - 完クリ

完クリしました。1週間ちょっとかしら。

各キャラルートを全てクリアするとそのあとに真の最後のルートが解放されるというのがKeyのゲームの定石ですが、今作もその通りで。各キャラルートはあくまでも起承転結の「起承」部分でしかないというのが終わってみての感想。

……というのをいつもみたいにネタバレ回避のために隠さずに書いているのは、各キャラルート単体で見ると全然ぱっとしないどころか吐き気がするくらいにつまらないお話すらあったから。個人的な感覚で評価を付けるならば、こんな感じ。

  • 共通ルート:★★★★☆
  • 小鳥ルート:★★★☆☆
  • ちはやルート:★★★★★
  • 朱音ルート:★☆☆☆☆
  • 静流ルート:★★★☆☆
  • ルチアルート:★★☆☆☆
  • その後:★★★★★
  • 総評:★★★★☆

共通ルートのギャグは、パロネタが多すぎて、しかも滑りすぎていて寒いことが多い。基本的に吉野(親友キャラ)が絡むときは非常に面白いし彼は凄く良い奴なんでもっとバカやってたいって感じになるのだけれど、いかんせん他のパロネタが大して面白くない。そのあたりはリトバスでウケたからって調子乗ってんじゃないかって気すらしてしまう感じは否めない。……と言いつつもまあ面白いし、CLANNAD以降のKeyらしいノリであることに間違いはないので安心して読めた。

本作の汚点を敢えて述べるのであれば、最初にライターを発表してしまったことだと思う。うちは田中ロミオも竜騎士07もどっちの文章も一度も読んだことがないけれど、評判などからどのルートが誰が書いたのかとかついつい勘ぐってしまうのは、もはやゲームの枠を飛び出してしまっていて、ゲームをゲームとして楽しめなかったという感が否めない。それもきちんと整合性のある文章なら問題はなかったのだけれど、各ルートで世界観設定に差があったり、キャラクター(特に主人公と吉野)の性格が全然違ったりするのは正直、そのまま受け入れることは出来なかった。複数ライター作品の性であるとはいえ、それを感じさせてしまうのはプロじゃないなと思わせられざるをえなかった。特に朱音ルートは、読んでいて「時間を無駄にした」と思わせられるレベルで、キーボード壊しそうになるくらいにつまらない文章だったのが辛い。もう少しどうにか出来ないモノだったんですかねと問いただしたくもなる。逆にちはやルートは文句なしの少年漫画ばりの手に汗握る話でとても面白かった。

結果として各キャラのルートは前座みたいな位置付けではあったのだけれど、そのクオリティを真っ当に統一できなかった点については、この作品の汚点だと思う。パラレルな世界だと解釈して仮に設定の整合性について目をつむったとしても、瑚太郎くん(主人公)のキャラが全然統一取れてないってのが、一番辛い。

全キャラルートを終えた後に解放されるルートについては、それまでの前座をすべてひっくるめてくれるというKeyのお家芸っぽくて、ムカつくけとやっぱり好きだった。それまでの各キャラのルートを踏み台にするような話の作りはずるい。好きとか嫌いとかじゃなくてずるい。好きか嫌いかで言ったら好きの部類なんだけれど。各キャラのエンディングを見た後に「これどういうことだよ畜生!」ってなった気持ちを解消させられていくあのカタルシスはずるすぎて何も言えなかった。ただただエンターキーを押して文章を読んでいたってことは、やっぱり自分にとっては何はともかく面白かったんだろうなって改めて思う。ムカつくけど、ずるいし、好きだ。

これまでのKey作品とはだいぶ毛色が違う。けれど根っこの部分はやっぱりKeyで。そのあたりの表現というか、スタンスみたいなものにもやっぱり惹かれるのかもしれないな、なんて思ったりもした。

OPもそうだし、オーラス曲は本当に大好きです。麻枝曲は何はなくともやっぱり好きです。というか音楽は全般的に好き名曲しかなかった。やっぱりKeyの音楽はいいなあ。ここだけは本当に変わらない。変わってるのだけれど、根っこが変わらないってのはとても心地よいなって思う。

長々と書いたけれど、この作品は賛否両論あるだろうなあというのがとにもかくにもの感想。Angel Beats!よりももっと色を変えて描かれたKeyの新作は、是非ともKey作品ファンにこそやってみてもらいたいなあなんて思った。というか、どう思ったのかを語り合いたいとも言うかもしれない。この作品をどう思うか? それを語らうのはとても楽しいと思う。

最終的なキャラランクで幕を締めたい。

篝>>瑚太郎>咲夜>ちはや≧小鳥>吉野>会長≧静流>ちびもす≧ぎる&ぱに>担任>洲崎>井上>江坂>ルチア>今宮=西九条