Zephyr Cradle Diary


2007.08.01 (Wed)

取り敢えずの DVD 2巻をあまぞっておいた。

[読書] 「マックスウェルの悪魔 確率から物理学へ」都筑卓司

講談社ブルーバックスの本。ぼちぼち読み進めていたのが漸く読み終わった。

、ことエントロピーについて詳しく知りたいなあと思って大学時代に買っておいて、漸く読み終えたわけですが、思った以上に良い本だった。わざと数式の少ない本を選んで買ったんですが、かなり広い視野で解説してくれているし、例えが身近だったりで凄く判りやすかった。

最後はちょっと哲学的なしめ方をするのが憎い。お陰で物書きのネタがまた湧いた。

エントロピーというのは要するに情報量とか質とかに置き換えられたり、または確率に置き換えられたりする。例えば水面にインクを一滴垂らしたとき、インクがそのまま一箇所に固まっている状態はエントロピーが低く、一様に広がってしまった状態はエントロピーが高い。言うなればその状態から次の状態が予測しやすいとエントロピーが低い、という定義になる。要するに散らばってるとでも言うか。

世の中、自然に放っておくとエントロピーは増大する傾向にある。お茶は自然と冷めるし、伸びたゴムは縮もうとするし、人が増えれば秩序は乱れる。どれもエントロピー増大の方向に向かうのが自然の有り様。

そこでエントロピーを制御し、エントロピーを減少させることが出来れば、例えば温度差を作り出して発電すれば永久機関だって作れるんじゃないかって考えたのがマクスウェルさん、というお話。この「エントロピーを減少させること」をやってのけるヤツのことを、マクスウェルの悪魔と呼ぶわけです。まあ実際には、水に溶けたインクを明確に分離することなんて不可能なので、この悪魔は存在しないのですが。

しかしながら人間はエントロピーを減少させることが出来る。情報処理によって煩雑なものに秩序を与えられる(例えばトランプゲームとか)し、ものつくりなんてことは、数多ある情報から唯一のものを作り出すという意味でエントロピー減少させていると言える。機械もそう、社会の仕事もそう。

この意味では、人間とはまことにすぐれた生存物である。ことによるとマックスウェルの悪魔という神秘的な働きをする小動物が宿っているのかもしれない。

最終章に書かれているこの言葉がとても印象に残った。

世の中にエントロピーなんてものは本当に目に見えないレベルであふれかえっていて、しかしながらこの世界を理論的に説明しようとするととても都合の良い概念に思える。それは自然界も持っているし、勿論人間もその影響を強く受けている。その中で氾濫している情報に秩序を与えることによって生きているんだなあと。それは他へ発信するしないに関わらず、少なくとも自分の中に秩序を与えて、それを精神的・物理的に制御することが、日々の行動理念なのかもしれない。

とかそんなことをこの本を読んで思った。自分にとっては、この本は愛読書の一つになりそうだなあ。

[音楽] nwa ファイルを再生する KbMediaPlayer プラグイン

http://www.autch.net/page/online/kpinwa2.html

のサントラ発売が 8/17 に決まりましたが、どうにも待ちきれないので、吸い出しツールか再生プラグインを探していたところ見つけたので紹介。 系のゲームで使われている音楽形式なら再生可能らしい。

当方環境でも 、 、、リトバスで動作確認。プラグインを入れてあとはゲームのインストール先にある BGM ディレクトリを KbMedia に放り込むだけで OK 。取り敢えずサントラ発売まではこれで楽しみますか。