2023.11.13 (Mon)
■ [Game] Fate/Samurai Remunant(ネタバレなし)
最初のチュートリアルのボスで即行ゲームオーバーした雑魚はこちらです。
いやまさかチュートリアルで死ぬと思わないじゃん何???? ってなったんだけど何???? KOEIだしなんかいつもの無双でしょ~~~って舐めてかかったらこれですよ。舐めプするな。それはそう。
KOEIから出るFateの無双ゲー……かと思ったら違った。普通にアクションRPGだった。というのが最初のハイライト。
いや、確かにアクションは無双なのである。雑魚がわらっと出てきたり、弱攻撃を何回連打した後に強攻撃を撃つかでコンボルートが変わったりするし、武器を敵から拾うのもあるし、回復アイテムもおにぎり。いつものアレだ。三國無双、戦国無双で良く見たアレ。
しかし、OPで主人公を選んで~みたいなのはなくて、普通に主人公固定の一本道、というか普通にRPGだ。レベルもある。蓋を開けてみれば無双のアクションをベースにしたRPGであった。なるほどそうきたか。
主人公は宮本武蔵の弟子、宮本伊織。時代は江戸時代初期、二天一流を極めんとする伊織は太平の世で平穏に暮らしていたが、ひょんなことからセイバーを召喚することとなり、「聖杯戦争」の紛い物といわれる「盈月(えいげつ)の儀」に参加することになって……というところから話が始まる。
Fateで宮本武蔵といえば、FGOにも出てくる「あの」武蔵ちゃんなのだが、まあFGOを知らなくても一向に問題はない。なんなら聖杯戦争を知らなくても問題ない。本作でFateを履修するで全然良い。それくらいに、Fateのちゃんとした(?)聖杯戦争を、しっかりとセイバー陣営でプレイすることが出来る。他の陣営や登場サーヴァントなんかは、公式サイトを見て確認してほしい。マスター側に「おまえどっちかというとサーヴァント側では?」ってやつもいるが。
Fateらしく、サーヴァントは真名隠しをしているので、真名探りの楽しさもある。まあFGOで実装されている勢はともかく、歴史や伝承に詳しくないと新規サーヴァントは自分も半分くらい知らなかったのだが、それはそれとしてもやはり「こいつはあれかな……?」などと考えるのは楽しい。
ただまあこればっかりは、発売から時間が経つと世にネタバレが溢れてしまう時限モノなので、今やるしかないと思って焦ってプレイしたのはある。もちろん、真名バレをした上でも楽しめるのがFateでもあるのだが、やっぱ自分の目で真名解放を見たいじゃんって想いがあった。
バトルについて。雑魚相手はさておくとして(ほぼいつもの無双なので)、大物系、特にサーヴァント戦について。
サーヴァントや大怪異が相手の場合、強力な魔力シールドを持っている(いわゆるガード値)。このシールドがあるうちは伊織の通常攻撃はほぼ弾かれるので「サーヴァントってやっぱつえーな!?」ってなる。敵が技を放ったあとの硬直時間にだけこのシールドが無効化される時間があるので(緑の靄が掛かる)、そこを狙って殴っていくというのが基本戦術だ。シールドを削りきると殴り放題になる(が敵にはのけぞりがほぼないのでホントに殴り続けるとこっちが死ぬ)。
なおチュートリアルで即行ゲームオーバーしたのは、攻撃が弾かれまくり、そして殴られまくって即行死んだっていうオチだ。サーヴァントは攻撃も痛いので、3発くらいもらうと死にます。ゲームバランスがFateって感じでいい。人間は脆い。最初死にゲーか!? と思った。
回復は、魔術での回復もあるがアイテムのおにぎりを使うのが最速(アイテム欄を開いて使うまで時間が止まるし詠唱もない)なので、敵のダメージがめちゃくちゃ痛いバーサーカー戦なんかは(2発食らうと死ぬ)、おにぎりを食べまくりながら殴るという物量戦になる。やはりポーションがぶ飲み戦法は正義。
ただ序盤はお金があまりないのでおにぎりがそんなに買えない上、各地で売られてる在庫も多くないので、そんなにリッチに使えないのが難点ではある。後半や2周目以降になってくると金に余裕も出るので50個くらい持って余裕の構えで挑めて良い。
一方、(無双で言う)普通の弱攻撃・強攻撃のコンボ以外にも、魔術と共鳴絶技というものがある。
サーヴァントなどの敵が大技を放つとき、一瞬だけ詠唱モーションがあるのだが、その瞬間に共鳴絶技か専用の魔術を当てると、敵が確定でピヨるというルールがある。だいたいの敵はそれを狙ってピヨらせ、そこに連撃を決めていくというのも主な戦術の一つになる。
魔術は習得した攻撃、回復、バフを魔石を消費して使う消費アイテム技。4枠までカスタマイズ可能。とはいえ魔石は最大99個しか持てず、回復でも一発で4~8くらい消費するうえ詠唱モーションもあるので、そんなに連打出来ない。魔石の入手手段が雑魚狩りメインなのもちょいとダルい。なので、実際使うのはここぞと言うときにピヨらせるための軽量な消費3くらいで撃てる魔術くらいになった。
共鳴絶技はゲージ消費技で、レベルが上がっていくと6本くらいまでになる。1~3本消費して強い技を撃てるというやつだ。敵を殴ってくと溜まるゲージ。敵をピヨらせるには1本消費の技でも大丈夫なので、システムを理解してからは1本消費の技ばかり使うようになってしまった。あとは3本消費の技に相方サーヴァントの宝具ゲージ75%アップくらいする技があるので、ゲージが余るようならそれを使うという感じ。
宝具はめちゃくちゃカッコイイし強い。やはりFateの大一番というところだ。自分はこれを見るためにFateやってるところはある。本作的には、放てば1発でサーヴァントでもHP半分近く持って行けるくらい強い。気持ち良い! でもそろそろ宝具スキップは出来ても良いと思うんだ。そんなに長くないからいいけど。
他にも陣地取りゲームのようなミニゲーム要素があったり、武器の手入れや仏像掘るミニゲームがあったりと、細かなミニゲームがあるあたりも普通にJRPG~って感じ。ていうか英雄王の像を掘るの普通に難しくて笑った。
スキルはスキルツリーというかスフィア盤というかなアレなやつで習得するし、その中でもストーリー進行や条件達成で解放されるスキルがあったりする。またモブを一定数倒すと報酬がもらえたりとか、指定の名所を訪れると報酬がもらえたりとか、クエスト的なものも数多く設定されててやりこみ要素に事欠かない。トロフィー対象ではなかったから埋めこそしなかったが、やれることは多いなーという印象。
個人的に楽しめたなーと思った要素としては、
- マップが江戸~神奈川なので、普段から馴染みのある地名が出てきて楽しい。主人公の本拠地の浅草に始まり、上野や品川、川崎大師、横須賀など。江戸周辺を小旅行している感じになれた。流石のKOEI。
- マルチエンドだった。そうだよねFateだもんね、というのを分岐ポイントが出てきて思い出した。ただ別ルートをやるには結局最初からやり直さないとなのがやや面倒ではあったが(途中セーブもある程度は使える)。
- セイバーくんがとにかくかわいい。「性別:?」にはなっているけど、これ男の子でも女の子でもどっちの解釈をしてもかわいいしカッコイイしかわいいのがズルい。作中では「彼女」「お姉さん」などと呼ばれたりしているし、あと「妻」が居るので、個人的にはほぼ百合です本当にありがとうございました。
まあ最初から最後までずっと共に戦うことになるこのセイバー陣営(伊織、セイバー、カヤ(伊織の妹。CV久野美咲))が好きになれるかどうか、というところはあると思う。こんな(ある意味で)仲の良い子たちを嫌いになんて、とは思うが刺さらない人には刺さらないかもしれんので大口は叩けない。自分はめちゃくちゃに好きでした。幸せになって欲しい。
1周目クリアまで30時間ちょっと。その後プラチナトロフィーまで取って65時間くらい。トロコンまでのほうが時間がかかっている。
全エンドを見てもトロコンにならないというのと、プラチナトロフィー獲得率が現時点で3%程度というのを見て、自分はもう少し躊躇すべきだった。まだ発売から間もないからか、トロコン視点での真っ当な攻略サイトがないというのもあるが、何よりも自分が何の要素を取りこぼしているのかゲーム内で分からないという点が最大の地獄であった。
ネットを見る限りだいたいみんなが詰まっているのは「雑記帳を完成させる」のトロフィー。
この雑記帳というのは、ストーリー進行とかでキャラの背景や土地の情報などが埋まっていく、いわゆる図鑑的な要素で、全エンディング見れば全部埋まるでしょ……と高をくくっていたらそうではなかったというのが最初の罠。第二の罠が、埋まってない箇所は空欄すら出ないので(空欄があるとネタバレに繋がるとかいう配慮なのかもしれん)、どこで何を取りこぼしているのか察することすら出来ないという罠。そして第三の罠が時限モノ、つまり「ストーリーのある特定のタイミングで特定の行動をしたり、そのときにしか現れない特定のアイテムを拾ったりしたときにしか解放されない項目がある」という罠。これらが複合した結果、地獄が誕生した。むしろ3%もの人がこれを埋めたのかよFateファンすげーなとまで思った。
いやでも感心してる場合ではない。全エンド見た後はもうあとどこで何を取りこぼしてるのかヒントくらいくださいよマジで。
そんなこんなでたっぷりと楽しんでしまったわけだが、なんともスッキリしない終わり方になってしまったのは否めない。
いや確かにFateとしては楽しかったのだが、ストーリーもといエンディングに対しては自分の中で賛否両論がせめぎ合っている。特に最後に解放される真(?)エンドは、「これでいいのか?」と「これで良かったんだよ」というのがずっとバチバチに殴り合っていて、自分の中で未だに咀嚼し切れていない。型月らしいじゃないかと言われればそれはそうなのかもしれない。
それに加えて、トロコンに至るまでの苦労がマイナス補正になってしまっており、本作のトータルとしては自分の中で並程度の評価になってしまいそうになるのが良くない。トロコンは、自分がそこに挑まなければ良かった話なので、マイナス要素にすべきではない……のだが……。
ともあれ、盈月の儀を駆け抜けた宮本伊織とセイバーたちの戦いを描いた作品として、実りある話に触れられたというのは間違いなく良い時間であった。Fate作品のひとつとしてしっかりと楽しめたので、個人的にはとても満足した時間でした(武蔵ちゃん風に)。
この先DLCが3本予定されており、「本編とは趣向の異なるシナリオ」と謳われている事からも本編のアフターのようなストーリーを補強するようなものではないのだろう、とは思う。が、気になるのでひとまずどっぷり浸かっておこうかなと思う次第なのでありました。
2023.11.09 (Thu)
■ [Game] 降魔彩風(R-18)(ほぼネタバレなし)
えっちなゲーム、しかも同人ゲーの感想を書くのは初めてかもしれない。でもそれくらいに自分にぶっ刺さったゲームだったので書いておきたいので書きます。紹介したいのはRPG部分なのでえろ部分の話はほぼしません。
なおゲーム内にある実績はコンプした。隠し要素が2つほど分からなくて攻略サイトを見たけど他は全部自力で取った。裏ボスも自力で倒した。体感で20~30時間くらいはプレイした気がする。
パーティーメンバーは基本的に主人公1人で、普通にシナリオを進めていくタイプのRPG。といってもワールドマップはなく、シナリオ進行で進んでいくダンジョン探索がメインで、親友がさらわれたり狙われたりするのから守ったり守られたりするお話です。女主人公でかつ親友も女の子なので概ね百合なんですが、主人公の性格がほぼおっさん(褒めてる)で親友にハァハァしてる感じなので百合えろみたいな感じはない。それで良い。
装備品はアクセサリ2箇所と刻銘2箇所の計4箇所で、ここでパッシブスキルのビルドを選べる感じになってて楽しい。物理に振るか術に振るか、あとは悪魔特効とか、そういうのもここにある。まあボス戦だと状態異常防止が確定で欲しいので1枠は使ってしまうのだが。
終盤にFFで言ういわゆるリボン装備(全状態異常無効)が手に入るのも好印象。やっぱりね、終盤にめっちゃ強い装備が手に入るってのはとても良いことなんですよね。そういう快感ですよ。
このゲームが一番特徴的なのはバトル要素。
単に攻撃するのとは並行して、こちらには「構え」という要素がある。毎ターン防御方向を3つの中から選んでおく(上のスクショの画面左上に出てる黄色い矢印)のだけど、
- 敵のすべての攻撃には方向指定がある
- 敵の攻撃と同じ方向の構えを設定して攻撃を受けると被ダメを減らせる
- 敵の同じ攻撃は毎回同じ方向指定がされる
- 構えで受けることに成功した敵には不利状態が1ターン付く
- 不利状態の敵の次の攻撃に対して、正しい方向指定で「一心」(カウンタースキル)を使うと、確定で攻撃回避(被ダメ0)かつカウンター成功する
このカウンターがめちゃくちゃ重要で、バトルのテンポとしては「正しい構えで受けて相手に不利付ける」→「正しい構えで一心でカウンターする」→以下繰り返し、という感じになる。敵の行動は、敵の名前の下に「何の攻撃で」「どの方向か」が表示されているので、それを見てメタっていく感じだ。コレがテンポ良くてめっちゃ気持ち良い。
敵の行動は見えると書いたが、これにもいくつかランダム要素がある。
- 初めて会った敵の行動は「???」表示になり、敵の行動も方向も見えない
- その敵と戦った回数が増えたり経過ターンが進むことで、行動が見える確率が徐々に上がっていく(ボスはたぶん100%にはならない)
- 敵の行動は見えるが方向は見えない、という場合もある。が、このゲームでは同じ行動は同じ方向への攻撃であると決まってるので、前に受けた攻撃の方向を覚えておくのが必要
- 行動や方向が見えなくても、敵の立ち絵の変化を見て敵の行動を推測できる場合もある(特にボスの大技系)。同じ立ち絵に変わったときは同じ行動をしてくると決まっている
- 敵のバフやデバフには方向指定がないのだが、ある程度進めると、敵のバフ・デバフ行動に対する構えも覚えられる
- えっちな攻撃してくるやつもいるが、それも構えが合ってれば回避可能
- 敵は最大で3体同時に出てくることがあるが、当然3体とも違う方向の攻撃をしてくることがある
など、メタゲームながらに非常に戦略性があってとても楽しい。いやなんかもう、ずっとやってても良いくらいにめちゃくちゃ楽しかった。
なお裏ボスは、このルールの中で「行動や方向が絶対に見えない」というバフを常時纏っている。敵の立ち絵の変化を良く見つつ、この行動の次はこれをやってくる、などの傾向から対策を打って戦う感じで、めちゃくちゃ白熱した。裏ボスは10回くらい戦ってやっと倒した感じだった。楽しかった~~~。
敵にカウンターを決めると崩しゲージが溜まっていき、崩しゲージがMAXになると、主人公の持つ妖刀の能力である「奪う」という特殊な追加行動を取ることが出来る。
この「奪う」がバトル的にもストーリー的にもめちゃくちゃ良く出来てて見ものなのだが、取り敢えずバトル要素として特徴的なところを挙げると、
- スキルを奪う:敵の技をラーニング出来る。敵の大半にはラーニング技が設定されていて、その技でそのダンジョンのボス攻略が有利になったりする
- 能力を奪う:このゲームはロマサガのようにレベルがなく、敵を倒したときにランダムでステータスが上がったり上がらなかったりするのだが、ここで能力を奪うすると確定でステータスが1つ上がる。かつ、敵にその奪ったステータスに応じたデバフが付く
- 持ち物を奪う:いわゆる盗むだが、アクセやイベントアイテムが盗めることもある
ラーニング、私の好きな言葉です。FFの青魔道士とか大好きな大臣さんにはクリティカルヒットでございます。しかもさー、敵が戦闘中に呼び出す別のモブ(呼び出しでしか来ない)からしか覚えられない技とかもあって、いやーそういうの好き、大好きです! って感じだった。
……と、たくさん書いてしまったが、バトル要素が個人的にかなりツボで、本当にRPGとしてどハマりしてしまった。
もちろんダンジョン探索もこだわりがあって良かった。
RPGツクールながらもこんなギミック作れるんだなあという感心が大きかったし、ギミックに遭遇するたびに小気味よい会話があるのがとても好印象だった。主人公のこざっぱりとした性格もとても好み。ギミックの解き方や解く順番に応じて会話に微妙な変化があるのもこだわりを感じた。いやもうテキストが良いというのは大変良いことなんですよ本当に。聞いてるかオクトパストラベラー。
周回要素もあって、強くてニューゲームがちゃんと用意されている。2周目以降はステータスの成長限界が上がるのでより強くなれるし、その状態でなければ裏ボスは勝てないような強さになっているのも良い。ちなみにマルチエンドだが、1周で全部見れるように終盤でフラグ切り替えできる配慮がされている。めちゃくちゃ助かる。ルートによってラスボスも変わるので展開が熱い。
また、周回せずとも、過去のダンジョンで取りそびれたアイテムは終盤でもちゃんと取りに戻れるというのが賢い。そうなんだよ現代のRPGに求めてるのはこれなんだよ。取り返しの付かない要素とか要らない……とまで言わないがあったとしてもやり直せるようにして欲しいんですよ1周のプレイで。
ということで、全実績コンプするくらいにはたっぷりと味わいつくしてしまった同人RPGだった。こんな何気なく触ったえろげーがめっちゃ自分の好みのタイプのRPGでしたなんてこと、この先なかなかないと思う。あ、もちろんえろ要素も良かったです。
あとクリアしたエンドロールで、特定のラスボス曲をきみどりルクスさんが書いてるぞってのを見て3度見くらいした。このルートのあの話のあの展開からこのラスボスの専用ギミックと専用ボス曲ってことでテンション上がりまくったのでめっちゃ良かったですね……。Sound Cloudからも聴けますのでよろしければどうぞ。
ということでゲームの配信ページはこちらですが、普通にR-18のえっちなゲームなのでご注意下さい。あと別パブリッシャーからSteam版も出る予定だそうです。
戦闘システムもキャラクターもめちゃくちゃに好みだったので、次回作に期待してます!(もう1作のフィリアのほうの続編もね)
2023.07.12 (Wed)
■ [Game] BLUE PROTOCOL
6月中旬くらいからサービス開始した和製MMORPG。随分と長いこと開発をしていただけどようやく日の目を見ることになった。楽しみに待っていたぞ!
やはりなんと言っても最大のウリは、我々の大好きなトゥーンレンダリング(アニメ調グラフィック)なネトゲであることであろう。キャラメイクに無限に時間を取られるのはお約束。
SAOしかり、ゴッドイーターしかり、やはりこの手の日本人大好きなアニメ調グラフィックのゲームにおいてはバンナムに一日の長があると思うのだ。カットシーンにおいても自分のキャラメイクした子が生き生きと躍動しているのを見るとそこそこに満足感がある。そう、こういうのを待っていたのだよ。
ストーリーでは、最初からずっと仲間に居るフェステ(CV:日高里菜)がともかく良い相棒キャラで、二面性のある分かりやすいキャラかつ憎めない魅力的なキャラとして描かれているのが凄く良い。
グラブルでいうビィくん、原神でいうパイモン、FGOでいうマシュのポジションにあたるキャラだが、この手の相棒キャラは主人公(=プレイヤー)の代弁者の側面もあるしで、どんだけ魅力的なキャラに描けるかでそのゲームの采配が分かれると言っても過言ではないのだけど、しっかり魅力的なのがいいですね。
とにかく主人公とフェステが良いコンビすぎて、この子たちが仲良くしてるだけで微笑ましいのは大変に良い。
レベル上げとしては基本的にサブクエストの消化と、アドベンチャーボードの消化が中心になる。これらでもらえる報酬の経験値でレベルを上げ、素材を集めて装備品を作ることで能力を伸ばしていくタイプ。
とにかくサブクエがそこそこの数があるのと、クエストとボードで指定されるタスクがだいたい、10匹とか20匹以上のあのモブを狩ってこいだとかこの素材を採集してこいというのが大半。ということで大半の時間をフィールド狩りに費やすことになる。
フィールドで延々と狩りをするとかROかよ。古のMMOだ。でもそれが良い。ただ勿論それを言い換えると、そういうちまちましたのが好きじゃない人には圧倒的に刺さらないゲームと思う。
このゲームの特徴として、MMORPGの割にマーケットだのバザーだのといった他人からアイテムをもらう一切機会がない。そのため素材や装備はすべて自分で取得、作成する必要がある。強いて言えばガシャがあるくらい。
それもあって、MMOでありながらも実際は結構ソロRPGっぽさがある。
パーティーを組んでミッション(ダンジョン)に突入したりしてもいいし、チーム(ギルド)に入っても良い。そういう部分ではMMOっぽいのだが、結局能力を伸ばすのはちまちまとした自分のプレイング次第な感じだ。そういう意味ではほどよく他人との「距離感」があって良い感じだなーと思う。分かりやすく言えばモンハンっぽい。
現状でのレベルカンストは50で、武器レベルも50が最高かな? バトルスコア(要するに戦闘力)もたぶん4450が現状のカンストくらいだと思うけど、ひとまずそこまではプレイした。ちなみに自分はイージスファイター(いわゆるタンク職)がメインクラスです。
なんか難しい塔を30Fまで登るやつも、オートマッチングのパーティに恵まれたお陰で残り30秒というところでなんとかクリア出来た。30Fを13分で登れって今思うとなかなかシビアな時間設定だった。全滅即解散なのでギスらないのも良い感じ。ここはドラクエ10のコインボスみたいな感じかもしれない。
武器などの装備品を作るのにはとにかく周回が必要なので、オートマッチングのパーティー運にも左右されるが、ざくざくと周回して素材集めて武器を作る! というのはそこそこに達成感があって良いなと思う。まさにTime to winだ。
ちなみに武器に付くサブ効果は作るたびにランダムだったり、追加効果を付与できるスロット数もランダムだったりと、そこはかとないランダム要素もあって突き詰めるとなかなかやりこみが大変そうだなとも思う。
そんなこんなで、魅力的なグラフィックと魅力的なキャラ、そして古典的なMMOシステムによって、令和にこんなにもふさわしい和製MMORPGがバンナムから生まれたのは大変喜ばしいことだと思う。
原神や崩壊スターレイルのようなゲームはやはり日本のメーカーが作ってほしいよなと常々思っていたのもあって、こういうのが出るのは本当に嬉しい。バンナムくんは、FF14やドラクエ10を擁するスクエニとはまた違った方向を目指している感じがして、今後も推していきたいなあと思う次第である。PS5版なども予定されているらしいし一層楽しみだ。
取り敢えず、ガシャ回そ!
2023.07.03 (Mon)
■ [Game] FINAL FANTASY XVI(ネタバレなし感想)
アクションフォーカスモードで全サブクエ、全モブハントを終えた状態でクリア。60時間ちょっと? PS5のプレイ時間の表示はあんまり当てにならないのでアレだけど。
- グラフィック/演出:5
- バトル:5
- 召喚バトル:4
- シナリオ:3
- 音楽:2
- UIや操作感:3
- 総合:3
PがFF14と同じ吉田ということで、ならばFF14(特に漆黒暁月)を越える体験をお出ししてくるだろう……という謎の期待を持ってしまったのが良くなかった。特にシナリオへの期待値を上げすぎていた。失敗した。
何はともあれ、体験版部分(タイトルロゴが出るところまで)は本当に素晴らしかった。ゲーム開始からあの2~3時間くらいに詰め込まれた怒濤の演出と体験は本当に素晴らしいし、全人類が体験すべき体験版だと思う。本当に凄い。「PS5を買ったら取り敢えず黙ってFF16体験版落とせ」と全人類に言える。
とにかくグラフィックと画面演出(というかカメラ演出)が素晴らしい。これによるバフがもの凄い。ほぼ映画を見ているような感じだ。映画の中の主人公を操作できるワクワク感もあるし、その上にド派手な演出の召喚獣バトルだ。これで熱くならないわけがないというもの。
そこまでが実質的なオープニングということで、その後から探索したり武器作ったりモブハントしたりクエストこなしたりというRPG要素が増えてくる。
残念ながら、体験版部分の体験が本当に鮮烈すぎたせいで、それ以降は逆にRPG要素が足を引っ張っている感は否定しきれない。クエストやモブハントがあるせいで「やらなければならない感」が出てしまい、それらをやるたびにまあまあテンポが落ちる。全部無視したほうがテンポ良く楽しめたのかもしれない(進行順に全部やった)のだが、とはいえ自分の普段のプレイスタイル的に無視するのは辛いので後悔はない。
ストーリーの感想については別途ふせったーででも語ることにして、バトルについて。これまでのコマンド式バトルを捨て去りアクションバトルとしており、まあほぼモンハンになった。これが良かった。
基本はとにかく回避だ。敵の動きを見て、敵の攻撃に合わせたジャスト回避(だいぶ判定を甘くしてくれているお陰でめっちゃ発生するし、楽しい)からの攻撃連打、というのが基本スタイルで、これが非常に爽快感があって良い。敵もほぼみんな予兆行動をしてくれるのでほぼ初見でも回避出来る(テンポを掴みづらい敵も居るが)。
最初から使えるフェニックスシフトというスキルが、敵に向かって最速で近寄るというやつなのだが、これが全くもってFF15のシフトで大変良い。FF15のシフト、めちゃくちゃ好きだったンですよね。やはりFF15は完成されていたよな……と思うなどした。
敵のウィルゲージとやらを削ると敵がダウンするので、そこに持てるスキルを全部たたき込んで高打点をたたき出すゲーム。それがFF16。ここがバーストのしどき! という感じでアクション的な爽快感は非常に高い。
自分は結局のところボス戦で高打点たたき出すのはギガフレアと斬鉄剣が中心になった。モブ相手では転生の炎がクソデカ範囲過ぎて楽しいのでめっちゃ使った。まだ感知されてない敵にまで当たって無駄に敵を呼び寄せたりしたけどそれも含めてクソデカ範囲すぎて楽しい。
これだけグラフィックが良いにもかかわらず、マップ移動時のロードが1~3秒程度というのは非常に素晴らしい。Now Loadingの文字が一切出ないので本当に地続きでプレイ出来るこの体験はなかなかに素晴らしかった。ロード時間だけで言えば原神(PS5版)もこのくらいなのだが、それをきちんとゲームの方向性とセットで落とし込んでいるのがとても良いのだ。
リアルタイムレンダリングとカットシーンの切り替えも非常にスムーズで、一見するとどちらになっているのか判別が付かないレベルになっているのも体験を引き上げてる。カットシーンでもしっかりと今の装備が反映されるので本当に一目では分からない。髪のサラサラ感と肌のツヤツヤ感でだいたい判別してた。
そりゃあ、これをPS5以外の、もっとロードやレンダリングが遅い環境も加味した環境に向けたチューニングもするとなると骨が折れそう……というよりもこのPS5に特化したチューニングだからこそ出来た演出も多々あろうというのは察して余りあるので、半年早くPS5にだけ専売したというのは英断であろうと思う。環境を統一しているからこそのこの体験なんだろうなあと。
ちなみにゲーム開始時のタイトル画面も、2度目の起動からはメーカーロゴすら全スキップでいきなりタイトル画面だ。これも素晴らしい。そう、これだよこれ。これをFFがやってくれてありがとう。他の据え置きゲームも見習ってほしい。
一方で、自分が不満たらたらだったのが音楽だ。
FF16、いまのところ自分の中で一番評価が低いのは音楽なんだよな。そう感じている自分自身に驚くのだけど。
— だいじん (@daijin) June 23, 2023
FF15よりもさらに写実に寄せたグラフィックに対して、FFらしい(というよりもFF14らしい)音楽が体験としてアンマッチだと感じている。
映画みたいな画面演出をしているくせに流れているのがゲーム音楽なので脳がバグる。メロディがうるさかったり、情緒をかき立てない音楽だったりと、音楽の作りや使い方が本当に画面に合ってない。
またFFのメインテーマやプレリュードのアレンジが時々入るけど、それもまた合ってない。そのせいで曲調が無駄に明るかったりしてシーンの邪魔をする。FFが枷になってるなと感じた。無理に使うくらいなら捨てろよそんな枷。
またちょっとしんみりしたシーンや感動的なシーン、あとは後半のフィールド全曲と、とにかくピアノ曲がめちゃ多用されているのが気に食わない。あのグラフィックにピアノ曲、全然あってない。どのシーンももっと普通にオーケストラでガツンと鳴らした方が圧倒的に効果的で感動的になると思うのだが……予算切れた? とにかく要所要所でピアノソロが多すぎる。
FF16の音楽は本当になんというか、「お前ら(FFプレイヤー)、こういう音楽を流しておけば嬉しいんでしょ?w」って思われている気がしてならなかった。プレイヤー舐めんな。
UIというかシステム周りも、なんとなく「もっさり」とした感じがある。メニュー画面は無駄に視点を動かさなくていいから。そういうのいいから。あと画面切換はもっとサクサクしてくれていい。ロードのためだろうけどいちいちゆっくりと暗転する必要ないから。あとワールドマップは他に比べて特段ロードが遅いので、メニューで間違えてワールドマップを開いたときに画面が遅くて辛かった。ワールドマップはメニューに入れなくて良かったよ、分けてほしかった。
またメニュー以外でも、クエストとかで主人公のクライヴが人からモノを受け取ったり渡したりするシーンで、いちいちゆっくりとモノを渡すモーションを見させられるのが苦痛。×ボタンで飛ばせるか、渡しながらセリフも喋れや。渡すモーションだけあんなにじっくりと見させられる意味はなんなんだ。しかも結構な頻度で何度も見させられる。
あとは、用語解説として用意されてるアクティブタイムロア。この試み自体は面白いなと思ったけど、それよりもまず優先して用意すべき機能があるでしょ。会話ログだ。このゲーム、会話ログがない。会話がオートで進む(オートを切れない)にも関わらず会話ログがないのはやめろとSCARLET NEXUSのときにも僕は言ったよね、やめてね。
今作のFF16には、良い要素はもちろん沢山あるのだが、一方で不便だったり不満だったりも同じだけあった。正直なところ手放しで素晴らしかったとは言えない。やはり体験版部分が最高潮だったのは否めない。令和のファイナルファンタジーとして触ってみるのはアリだろうとは思うのだが……。
時間的な制約なのか予算的な制約なのかは分からないが、もうちょっとしっかり作り込めただろうと思えてしまうのは残念だった。特にシナリオと音楽。この2要素が完全に足を引っ張っていると思った。
しかしグラフィックと演出、バトルはしっかりと良く出来ているので、それを楽しむためにも触れてみるのは悪くないのかもしれない。
追記:ネタバレ感想↓
FF16シナリオ感想(ネタバレ)※思いついたときに追記するかも https://t.co/9Pfjm9O0Ix
— だいじん😷 (@daijin) July 3, 2023