アレンジと著作権について

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大臣の知っている・調べた内容になります。企業などへの問い合わせは行っておりませんので、ご了承ください。

またここで扱う話題はゲーム音楽のアレンジに関する話題に焦点を当てています。アニメやJ-POPなどのアレンジについても似たような話が当てはまるかと思いますが、ちゃんと調べたのはゲーム音楽のほうなので、改めてちゃんと調べるかしてください。

もし誤解などありましたらご連絡ください。筆者はゲーム会社の人間でもなければ、法律家でもありませんので。

アレンジ音楽について

基本的なスタンス

アレンジ音楽とは著作権法にある「編曲」にあたり、アレンジを行った者は「著作隣接権」を持つ。この者は著作者に無断で編曲を行うと罰則を与えられるというのが、著作権法に定められている。つまり違反すれば違法であり、れっきとした犯罪。罰金等が科されることになる。ただし親告罪でもあるため、著作者本人が訴えない限りは取り締まることが出来ない。

ちなみにゲーム音楽の著作者は、制作元や販売元にある。作曲者にのみあるわけではないので、仮にTwitterなどで作曲者本人に確認を取ったところで全く意味はない。

著作権法に関しては全文がネット公開されている。著作隣接権に関する項目は一度目を通しておきたい。当然だが、出来ることなら一度全文を熟読しておくべきである。

ゲーム会社の対応

著作権法が存在するにも関わらず現在、アレンジ音楽が平然と世にはびこってるのは何故かと言うと、著作者がほとんど取り締まっていないからである。その理由はもちろん公表されないが、概ね予想されている理由としては、以下が挙げられる。

  • 一件一件取り締まってる時間はない
  • それによって大きな損害は出ていない(取り締まりにかける時間のほうが金がかかる)
  • 暴利が発生していない

ということで、要するにお目こぼしをいただいているというのが現状である(例外もある。後述)。企業体の立場上、公にOKを出すことはほとんどない。しかし、かといってNGを出すこともない。もちろん問い合わせればNGと言わざるを得ない。世の中の意見には「二次創作によって原作の宣伝になってるんだから良い」という盗人猛々しい意見も存在するが、それを判断するのは著作者側なので、二次創作を無断で行っている人間(ましてやそれを鑑賞する人間)が言える立場にはないということを併記しておく。

しかしながらそんな風潮の中でも、その中でもアレンジ(二次創作)を公に認めている制作会社もある。以下にその一部を紹介する。いずれも各企業の示す規約に沿っている必要があるため、詳細は各リンクを参照のこと。

Key
製品内の素材の使用に関するQ&A参照。
AQUAPLUS
弊社製品を題材にした二次創作物の制作・頒布参照。個人での頒布のみOK。

逆に、公にNGを出している制作会社もある。詳細は各リンクを参照のこと。

Falcom
ファルコム音楽フリー宣言FAQ参照。楽曲そのものの販売及び配布はNG。Twitter公式アカウントでのツイートでも「ファルコム音楽フリー宣言 http://ow.ly/15mVL の質問が多いのでもう一度「規約が解り難いので修正中」。言い換えると、楽曲だけ配っちゃだめ、その他はほぼなんでもありということなんで、同人アニメのBGMはいいですが、楽曲そのものの同人アレンジCDはだめです。」とある。

また、これまで黙認していたにも関わらず取り締まられたケースは数知れない。ポケットモンスター、カプコン作品、ビートマニアなどは近年警告を受けた二次創作である。全ての二次創作が取り締まられたわけではないが、警戒する風色は強い。

同人ゲームについて

出典元が同人ゲームであろうと同人アニメであろうと、上記の法的拘束力は変わらない。著作者に無断でアレンジしたとき、著作者に訴えられれば同様に罰せられることになる。ただこちらも多くの場合には許可を出している作品がいくつもあり、企業とは異なって柔軟に対応してくれるケースが多い。不明な場合は一度問い合わせてみるのが良いだろう。

以下に、あらかじめ二次創作が許可されている同人作品の一部を紹介する。

上海アリス幻樂団
上海アリス幻樂団創作物の二次創作・使用関連ページ参照。いくつかのルールが存在する
07th Expansion
よくある質問参照。音楽に関しては、各作曲者へ問い合わせとのこと。
フランスパン
注意とリンクのページ参照。アレンジには特に関与しないとのこと。

JASRAC

JASRACの登場と役割

アレンジの話とは切っても切り離せないのが、日本音楽著作権協会JASRACの存在だった。JASRACは事業目的を「音楽の著作物の著作権を保護し、あわせて音楽の著作物の利用の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に寄与すること」と謳っているとおり、著作権侵害を取り締まったり、著作物の管理を一括して代行している法人である。

2001~2002年頃、インターネット上での規制が強化され、その頃に一度インターネット上からはアレンジ音楽が一斉に消え去った。このときJASRACにいくつかのゲーム音楽が登録され、罰則の対象となった。

  • ドラゴンクエストシリーズ
  • ワイルドアームズシリーズ
  • スタジオジブリ作品
  • ゲーム中に流れるボーカル楽曲
  • クロノクロス

上記のような楽曲が「JASRAC管理曲」として扱われるようになり、JASRACが著作者に代行して勧告、罰則を与えられるようになった。これによっていくつかのウェブサイトには警告が出され、サイト閉鎖に追い込まれることとなった。ウェブサイトで勝手にアレンジしているJASRAC管理曲はすべからくJASRACに申請をし、使用料を支払わなければならなくなった。自作曲であってもJASRAC管理曲であれば無断に使用することはできない、ただ歌を口ずさんだだけでも使用料が発生するなどというエピソードが語られたりと、JASRACによる金儲けのようにしかみえない活動(もちろん曲解であるが)に対して、ウェブ上では「カスラック」と呼んで関わってはならないもののひとつとして定着するようになった。

しかしながら上記の事件(と言うほどでもないが)が起こってから何年も過ぎた今では、むしろ歩み寄ろうという形が自然と取られるようになった。JASRACは著作権管理を代行しているのであり、ゲーム制作会社に問い合わせなくともJASRACに使用料さえ支払えばアレンジしてもよいということである。初めの敵対意識さえ捨て去れば、当然ながらそれは法律に則った上で「グレーではなく潔白な」アレンジをするのに良い機会なのである。

動画サイトがブームになった今ではYouTubeやニコニコ動画、UstreamがJASRACと包括的利用許諾契約を結んでいるため、その利用はより身近なものとなっている。動画サイトに関しては後述。

動画サイトでの取り扱い

先にも書いたが、YouTubeやニコニコ動画、Ustreamなどの動画配信サイトは、JASRACを初めとした著作権管理団体と包括的利用許諾契約を結んでいる。他の動画サイトも同様のスタンスを取っているところが多い。

さてここで問題になるのは、これらの動画サイトにJASRAC管理曲のアレンジをUploadするのは問題ないのか?という点だ。「JASRACと契約してるんだから大丈夫」と思ってしまいがちだが、そういうわけではない。JASRACのFAQには以下のようにある。

詞を訳したり、曲をアレンジする場合も、JASRACの了解が必要ですか?
→(前略)訳詞・編曲する場合、まずは音楽出版者を通じるなどして、著作者に直接同意を得ていただいたうえで、利用方法に応じてJASRACに手続きをしていただくことになります。

YouTubeのFAQには、更に明確に書かれている。

自分で曲をカバーした動画が削除されました。
→お気に入りの曲のカバー バージョンを録音したからといって、録音した曲を原曲の権利所有者(作曲家など)の許可なくアップロードする権利が得られるわけではありません。

また、先にリンクを示したAV Watchにも同様の記載が見られる。

ただし、CD音源やプロモーションビデオなどをそのままストリーミングにて配信するなどの場合は、従来通り、別途、著作隣接権者の許諾が必要となる。

ということで動画サイトでのアレンジはJASRACの包括的利用許諾契約に含まれていないというのが現状である。この契約が認めるところは「自身で演奏した作品(コピー)」であって、演奏のための多少のアレンジであれば許容されているというのが実状。その範囲を逸脱して完全に「編曲が目的」となると、この契約の範囲を超えるということになる。また、この契約はJASRAC管理曲のみに関するものであり、JASRAC管理曲ではない他の楽曲について、他の著作権管理団体が管理していればそちらの規則に従い、そうでなければ最終的には著作権法に則ることになる。つまるところ、動画サイトが登場する前と変わらずアレンジはグレーであるということだ(より正確に言えばブラック)。

なお、ニコニコ動画のガイドラインには「自身の操作によってDTMソフトウェア・MIDIソフトウェア・ボーカロイドソフトウェアなどで演奏・出力したもの」を許容すると記載されているが、アレンジ(二次創作)を許容するとまでは書かれていない。この点に関しては誤解のないようにしたい。

Celestiaのスタンス

上記を踏まえた上でもCelestiaは、基本的にこれまで通り、著作者のお目こぼしにあやかって活動を続けます(許可が出ている場合にはこの限りではありません)。

別に大きな理由があるわけではないです。「お目こぼし」と言うとどうにも皮肉っているように聞こえますが、現状としてファン活動が黙認されているという事実を好意的解釈して、このままやっていても良いんだと捉えます。ここで同人CDのように利益が発生してしまうのであればまたスタンスも考え直すところですが、Celestiaは現在Webイベントである以上、全てのアレンジ作品が「フリーダウンロード」です。特に大きな利益が発生しているわけでもなく、むしろサーバーやドメインなどを考えれば、(主催個人が借りているサーバーとはいえ)赤字であるとも言えます。要は金銭面に関してはなんの利益もありません。もちろん、無料だったら何をやっても良いというわけでもないのは百も承知です。

著作者が黙認している間は、この活動を続けようと思っています。もし著作者から差し止め等があった場合には速やかに当イベントを閉鎖いたしますことは、明記しておきます。