Celestiaのあゆみ

提供: Celestia DB
2011年5月16日 (月) 01:23時点におけるMinister (トーク | 投稿記録)による版

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主催の主観によるCelestiaのこれまでをまとめてみました。時代背景など判るといいなあとか。

主にスクウェア系アレンジ界隈を中心としたお話です。Celestiaのサイトに書くべきか迷ったんですが、資料として残しておくのはまあアリかなあと思って書き記しておくことにしました。当然ですが、各所で出てくる企業とCelestia、ならびに執筆者は何の関係もありません。

音楽フォーマット

スクウェアアレンジ周りを知る前に、まず音楽フォーマットの隆盛の話に少し触れる。

MIDIの抱える問題

2000年より以前の20世紀、世の中はまだMIDIの世界だった。ネットワーク回線といえば電話回線だったりISDNだったりテレホタイムだったりで、ネットワークの速度は大体64kbps出れば速いと言われていた、と言えば判りやすい。MP3なんてウェブサイトに置いてもDLするのにいったいどれだけ時間をかければ良いのかという怒号が飛ぶだけなので、MP3を置くサイトは少なかった。そもそもアップロードにだって果てしなく時間がかかるし、ISPがレンタルしてくれるサーバー容量も10MB程度なのがほとんどなので、MIDIを選ばざるを得なかった。

MIDIフォーマットとしての主流は以下の3フォーマット。

  • GM
  • GS(Roland)
  • XG(YAMAHA)

拡張子はいずれも.midだが、フォーマットが異なるとそれに対応した音源を所持していないと再生することができない。また同じフォーマットで制作されていても、制作者が用いたシンセサイザーと異なるシンセサイザーで聴いた場合には微妙にニュアンスが異なるという、MIDI独特の問題は常にあった。GMフォーマットはWindows標準で提供されている内臓音源で再生することが可能なため、仮にGSやXGに対応したMIDIを制作しても、GM対応版も合わせて公開するというケースは少なくなかった。その場合にはGS/XGでなければ再現出来ない音を無理矢理ダウングレードさせるため、制作者側の意図を完全に再現したものではなくなる。それを毛嫌いしてGM対応版を作らない、という考えもあった。

GS/XGの人気はどちらが高い、というほどでもなかった。XGはYAMAHAのサイトから無料DL出来るという利点があり、GSはXGよりも豊富なライブラリを有することからも、双方ともに人気はあった。SC-88Pro、SC-55mk2などGS音源のSCシリーズは、制作用途だけでなくリスナーの試聴用としても購入されるほど。ゆえに必然として、GMフォーマットが一番制作される機会は少なくなっていった。のちにGMの改良版(ただし互換はない)であるGM2フォーマットも登場するが、その頃にはMP3をアップロード、ダウンロードする環境が整いつつあったためあまり流行らなかった。

また当然だが、生演奏を録音するということはMIDIでは再現不可能だった。鍵盤やウィンドコントローラー、エレキドラムなどでリアルタイム入力をするというのが、せいぜいやれる範囲であった。ギターを再現しようとすると、一生懸命コントロールチェンジやシステムエクスクルーシブメッセージと格闘しなければならなかった。

楽曲情報を含めることにも困難があった。MIDIファイルと同名のTXTファイルを同一ディレクトリに置くことでそれを自動敵に表示することができるMIDIプレイヤー(TMIDI Player、Kb Media Playerなど)があったため、それらの利用を想定してTXTファイルを同梱することはあったが、逆に言えばそういったプレイヤーに頼らなければまともに楽曲情報を含めることが出来なかった。特にWindows標準でインストールされるWindows Media Playerでは、タイトル情報の表示にのみの対応だった。

MP3の登場

上記のようにMIDIが抱える問題は多く、最も大きな問題はやはり「制作者の意図した音を100%リスナーに届けられない」ということだった。シンセサイザーの数は多く、全ての制作者のMIDIを意図通りの音として聴こうとした場合には、金がいくらあっても足りないという状態にならざるをえない。かといってGMフォーマットでは限界があり、それにGMはGMでもやはり差異があることに変わりはなかった。また生演奏も録音出来ない。

それを一気に解消したのがMP3(MPEG Layer-3)だった。

これはISOで策定されている規格でもあり、れっきとした国際規格である。今では当たり前のように用いられるフォーマットだが、先に述べた容量の関係上、どうしてもアップロード・ダウンロードに時間がかかってしまうのが難点だった。ただ2000年代になってからはADSLやCATVなどインターネット環境の発展もめざましく、利用もそれほど困難ではなくなってくると、徐々にMP3へと移行が進んでいった。ID3タグに情報が埋められるということからも好まれるのは必然だったと言える。爆裂MIDIコンテストが開催される2001年頃には、MP3への移行がかなり進んでいた。

同種の圧縮フォーマットとしてOgg Vorbisというパテントフリーなフォーマットも存在し、MP3よりも高性能な圧縮効率を誇った。しかしながら登場時にはすでにMP3が主流であり、各種オーディオプレイヤーもVorbisへ対応しないものが多かった(対応していたのはiriver程度)ため、結果的にウェブ上ではあまり流行ることはなかった。余談だが、Vorbisのファイルアクセスのしやすさは評価されており、PC向けゲームの音源やBMS界隈では今でも用いられているフォーマットである。

同人CD

MIDIの抱える問題を解消する方法としてのもう一つとしてあったのがCD化だった。MIDIや生演奏などを録音した音源を音楽CDとしてパッケージングしてしまえば、リスナーへ意図した音をそのまま伝えることは可能。そうしてオンラインからオフラインへ活動の場が広がり、音系同人が登場した。インターネットが強化されてMP3が主流になるよりも前から、同人CDは気軽に作られていた。

コミック系の同人に比べてジャンルとして認められるのはやや遅かったが、今ではボーカロイドの活躍もあって、大きなジャンルの一つとして確立されている。余談だが、オリジナルオンリーイベントのコミティアで同人音楽がジャンルとして認められるようになったのは、2008年のことである。

興味のある方はWikipediaの同人音楽の項目がより詳細で正確なため、そちらも合わせてお読みいただきたい(大臣は同人活動サイドにはそこまで聡くないので)。

動画サイト

YouTubeニコニコ動画の登場によって、ファイルフォーマットにとらわれるが必要なく、インターネットブラウザさえあれば気軽に楽しめるようになった。それらが最も功績を挙げたのはストリーミング再生によってブラウザのみで再生できることと、SNSの機能を兼ねていることである。気軽にコメントを付けることができる環境はまさに制作者、リスナーの双方にとって大きなメリットであったのは言うまでもない。

現在はJASRACと包括的利用許諾契約を結んだりと、合法的にアレンジしやすい環境も整ってきている。

Celestia以前のウェブイベント

ここではスクウェア(現在のスクウェアエニックス)系のウェブイベントを中心に取り上げる。

爆裂MIDIコンテスト

スクウェア系アレンジのウェブイベントとして最初に大きく注目されたのは、nor氏が主催した爆裂MIDIコンテスト。第1回の開催はイトケン祭(2001年)で、その後に第5回まで開催されている。ウェブサイトは今でも残っているため、楽曲を聴くことは出来ないが参加者のリストを参照することは可能。

  • 第1回:イトケン祭(2001年)
  • 第2回:うえマツリ(2001年)
  • 第3回:Key祭(2001年)
  • 第4回:バトル祭(2002年)
  • 第5回:三大祭(2004年)
    • イトケン祭2、桜庭祭、free will(オリジナルオンリー)の3本同時開催

コンテストという形式であることから、楽曲公開後には投票(アンケート)が行われ、どのアレンジが最も優れていたかを競い合った。こと爆裂MIDIコンテストでは「いかに爆裂(後述)か」を競い合うことになった。公開方式としては一括公開式。すなわち以下のような方式である。

  1. 主催が〆切を定める
  2. 参加者(制作者)は期日までに楽曲を制作、アップロードし、主催へURLを連絡する
  3. 主催は、集まった楽曲をウェブサイト上である決めた日(開催日)に、全曲一斉公開する

この開催方法は後々まで続くウェブイベントの公開方式として長く定着した。

MIDIからMP3へ移っていく変遷のまっただ中だった当時、爆裂アレンジというアレンジのジャンルがひとつの大勢を占めていた。すなわち「とにかく熱く格好良く激しく」アレンジすること。ギターサウンドや四つ打ちのアレンジが多く、原曲として選ばれるのもバトル曲が多かったのは、当時の特徴のひとつであったとも言える。埼玉最終兵器氏、Jun.A氏、Eru氏などのアレンジャーが参加した。

なおFINAL FANTASY Xは2001年、アンリミテッドサガが2002年発売であるため、爆裂MIDIコンテストでは対象に含まれるか否かという境目。その他、同時期にあったできごとにはラグナロクオンラインの正式サービス開始(2002年)、CLANNAD・ToHeart2の発売(2004年)などがある。

コミュニケーションツール

2ちゃんねるが登場したのが1999年であり、2000年初頭は掲示板(BBS)が主なコミュニケーションツールとして活用されていた。Kent Webやそこから派生した掲示板システムが多く用いられたが、多くはPerl言語で書かれたCGIスクリプトで、次第にPHPで書かれたものへと変遷していくが、長らく掲示板が用いられた。RSSブログもまだ流行前で、基本的な告知などはウェブサイトでのみ行われ、閲覧者はイベントサイトや掲示板に日参するなどといった方法が取られた。こうした掲示板を用いて、感想の書き込みや交流が行われたが、リアルタイム性は今と比べればかなり遅い。それでもなるべく全プレ(全曲へ感想を書くこと)しようとの風習は存在していたが、掲示板の性質上チャットと言うよりもメールのような文体にならざるを得ず、必ずしも気軽とは言い切れないシステムではあった。

リアルタイム通信としては上述のCGIを用いたウェブチャットも用いられた。ウェブチャットはプッシュ方式ではなかったため、イベントの規模とサーバーへの負荷のネゴシエーションは常に問題で、イベント開催当日はウェブチャットのせいでサーバーがダウンするということがよく見受けられた。MSN MessengerやYahoo MessengerといったIMへ避難するなどの方法が取られたが、参加人数の上限による制限があるなど敷居が高いこともあった。

CRYSTAL -SQUARE Arrange Music Festival-

爆裂MIDIコンテストから派生する形で開催されたのが、Lix氏と草原翼氏の共同開催によるこのウェブイベント。頭文字を取って、通称SMAFと呼ばれた。2003年に開催された。現在サイトは閉鎖している。

イベント方針としては先に開催された爆裂MIDIコンテストとなんら変わりのないものであったが、異なる点もあった。

  • コンテスト方式ではない(投票がない)
  • 爆裂がテーマとは謳っていない
  • 掲示板が2ちゃんねると同じスレッド方式だった
  • オフ会が行われた

この頃になるとMP3が完全に音楽ファイルの主流となっていたが、主催側が自宅サーバーを用意するなど、参加者各自が抱えるサーバー問題を解決する方向へと動いていた。

また、この頃を境に、ウェブイベントが数多く開催されることになった。多いときは2ヶ月に1回のウェブイベントが開催されており、主催を名乗り出る者同士で日程の調整をしなければならないほど、血気盛んにイベントが開催されていた。掲示板以外のCMSの利用もすすみ出し、Movable TypetDiary、SB、WordPressなどの利用が盛んになる。

なおこの年、スクウェアとエニックスが合併して現在のスクウェアエニックスとなる。

撃墜王決定戦

鷹氏主催による、HR/HMアレンジ・オリジナルイベント。第1回(2004年)にはじまり、第3回まで開催された。第1回は爆裂MIDIコンテストのコンテスト色をより濃くしたもので、匿名制・投票制を導入した。その後もリフ縛りなど、様々な試みを取り入れて開催された。

なお第1回の優勝は、アレンジイベント初参加(当時)のMintJam。第2回優勝は岸田教団。第3回優勝はLix氏。

第3回の開催は、Celestia2と同日開催となった。

MUSiC FANTASY TACTICS

Dynastess氏主催の、FINAL FANTASY TACTICSシリーズオンリーのアレンジイベント。通称MFT。第1回(2004年)から第5回まで開催されている。爆裂MIDIコンテストと同様に、コンテスト方式のイベントである。

MFTがこれまでのイベントと最も異なる点は、インターネットラジオによる全曲放送を行ったことである。当時はWinamp系であるShoutcastのシステムを用いたインターネットラジオが流行っていた頃で、MFTではそれを真っ先に取り入れた。ウェブチャットシステムと併用することによって、のちのUstreamと同様のシステムを構築して盛況を得た。

またイベント参加楽曲をそのまま同人CD化したり、FFTオンリー即売会のBGMとして提供したりと、多くの新しい試みが行われた。

その他ウェブイベント

Celestiaが立ち上がる以前には、他にも同種のアレンジ・オリジナルのウェブイベントが開催された。一部を紹介する。

  • EEMF(ミート氏主催)
  • 3/4 Music Festival(Azell氏、Lenster氏共同主催)
  • Square Jazz Festival(大臣主催)

Celestiaのおこり

前述のCRYSTALの後継イベントとして立ち上がったのが、ここCelestiaである。CRYSTALの両主催にはCelestia立ち上げ前に後を引き継ぐことの了承をあらかじめ得て、サイトの制作と企画を大臣が行った。以降、主催を大臣が勤めた。何度かスタッフを募集して複数人運営を行ったイベントも存在したが、現在は大臣一人による運営となっている。

Celestiaのコンセプトとしては、以下を掲げている。

  • ウェブ上で行われる音楽に関連したイベントである
  • CD化は原則として行わない
  • 制作者、リスナーの交流を目指す

イベント名称の由来は、スクウェアエニックスの2大作品より、クリスタル(CRYSTAL)と天空(Celestia)から。

Celestia第1期(第1回~第7回)

第1回(2005年)から第7回(2008年)開催されたCelestiaのイベントは、半年に一回の頻度で開催された。毎回の決まりとして何らかの「テーマ」を設けて、それに沿った楽曲を募集した。第1回は開催当日に3000PVに達するなどの盛況を得た。サーバー問題やコンテンツのマーケティングについていくつかの施策を試み、時代に即したツールを使用しながらの開催を行ってきた。

メインのコミュニケーションツールは掲示板、ならびにウェブチャット、インターネットラジオ、IRCを用いた。制作者同士のやりとりにはMSN MessengerやSkypeなども用いられ、合作などのファイル交換に大きく貢献した。なおSkypeのv1.0は2004年リリースであり、それ以前はMSNが主流だった。

なお開催当時に発売された作品としては以下が挙げられる(アレンジされた作品など)。

  • 2005年:Xbox360、ロマンシング サガ -ミンストレルソング-、東方花映塚
  • 2006年:ニンテンドーDS Lite、PS3、大神、イースオリジン
  • 2007年:世界樹の迷宮、リトルバスターズ!、初音ミク、初代iPhone

Celestia休止期間

第7回のあと、Celestiaは無期限休止とした。告知はこちらに掲載する通りだが、主な理由としては以下。

  • コミュニケーションの場として役割を果たせなくなっている。イベントを行っても界隈が活性化しない
  • 時代がYouTubeやニコニコ動画に移ってきている。Celestiaは時代遅れ
  • 他に触発されてイベントが起こったりしなくなった
  • あと誰か頼む

また主催の私事も多忙になったため、その後2年半ほどの活動休止期間に入る。

Celestia第2期(第8回~)

2010年に入ってサイネリアFriestaなどCelestia以外のイベントが開催されるようになった頃、Celestiaも第8回(2011年)として2年半ぶりにイベントを再開した。イベント休止期間中にインターネットで生まれた各サービスを取り入れて、過去の問題点を補いながらの開催となった。

  • CMSツール(MediaWiki)の利用
  • 広告用ツール、コミュニケーションツールとしてTwitterの活用
  • サーバー問題解決のためにGoogleなどのオンラインストレージの利用
  • 情報のリアルタイム性を考慮して、公開方式を一括式から随時式へ切り替え

新しいツールを用いながらも開催の基本的な形式としては態勢を変えず、あくまでもMP3とコメントの公開という方式は保つことにした。動画サイトの利用はせずに、古い形態ながらも時代に即した形でコミュニケーションを図れないかを模索しながら、イベントを開催している。第9回では東日本大震災に対するチャリティCDの制作を兼ねたウェブイベントを行うなど、自由に開催を続けている。

Twitterを用いたコミュニティの形成など、制作者とリスナーの交流に今後も注力していく。

Celestiaの周りの変遷

Celestia1当時にはウェブサイトで活動する制作者が多かったが、6年の年月を経たCelestia8の頃にはウェブサイトは廃れている。ブログやSNSを中心として活動する者が増え、また東方作品やボーカロイド作品の流行によって、それまでのアレンジ界隈を大きく上回る流れが同人音楽には生まれた。スクエニの界隈は一層になりを潜めた。

アレンジの変遷としては大きく分けてスクウェア→葉鍵アリス→RO→TypeMoon→東方の流れがあった。東方以前はほぼ同時期に混在していたといっても間違いではないが、2006~2007年頃から東方作品のアレンジが急激に増加し、2007年の初音ミク発売も追い打ちをかけ、それらに比例するように同人音楽が知られる機会がぐっと増えることとなった。これらと同時期にサービスを拡大したニコニコ動画も相俟って、音系同人即売会M3も一気に参加者が増えて活性化している。それに合わせて同人ショップで扱われる同人音楽コーナーも陣地を広げている。

アレンジに関連したサイトなど

上記イベント以外にも、アレンジに関連したサイトが存在していたので、いくつか取り上げる。

Arrange Stream

アレンジ音楽の紹介サイトとして立ち上がったのがTYLIGHT氏のArrange Stream。2ちゃんねるでの公開が主流だった頃から、ウェブサイト中心になるまでの頃には、アレンジ紹介サイトとしてはまずASだろうという立場を確立した。

その後何度かのシステム改装を経た今も、日々ウェブ上に公開されるアレンジ音楽を紹介するサイトの一つとして存在し続けている。

Computer Music Center

2000年初頭、ウェブサイトを立ち上げたらまずは趣向が同じなサイト同士を繋ぐウェブリングシステムや検索サイトへの登録が必須だと言われていた。その頃のMIDI、MP3などを検索するシステムとして存在していたのがこのComputer Music Center。通称CMC。その後サイトが閉鎖されたが、有志の手によって復活した。HTMLヘッダに独自のMETAタグを設定することで検索ワードを設定したり更新通知を行えたりするなど、RSS流行前の当時としては画期的な検索システムであった。

現在もシステムは稼働中である。

夢の音楽館

耳コピ、アレンジした楽曲を公開しようにもサーバーがない、といった問題まで面倒を見たのがこの夢の音楽館。スクウェア系よりも葉鍵アリスなど、PCゲームが中心となっている。また耳コピ・アレンジイベントも開催しており、PCゲーム派には爆裂MIDIコンテストよりもこちらが主流であった。

現在もシステムは稼働中。

著作権について

詳細については各企業の情報を参考にしてもらいたい。

JASRAC

アレンジの話とは切っても切り離せないのが、日本音楽著作権協会JASRACの存在だった。

2001~2002年頃、インターネット上での規制が強化され、その頃に一度インターネット上からはアレンジ音楽が一斉に消え去った。アレンジ音楽とは著作権法にある「編曲」にあたり、アレンジを行った者は「著作隣接権」を持つ。この者は著作者に無断で編曲を行うと罰則を与えられるというのが著作権法に定められているが、この頃JASRACにいくつかのゲーム音楽が登録され、罰則の対象となった。

  • ドラゴンクエストシリーズ
  • スタジオジブリ作品
  • ゲーム中に流れるボーカル楽曲
  • クロノクロス

上記のような楽曲が「JASRAC管理曲」として扱われるようになり、JASRACが著作者に代行して勧告、罰則を与えられるようになった。これによっていくつかのウェブサイトには警告が出され、サイト閉鎖に追い込まれることとなった。ウェブサイトで勝手にアレンジしているJASRAC管理曲はすべからくJASRACに申請をし、使用料を支払わなければならなくなった。自作曲であってもJASRAC管理曲であれば無断に使用することはできない、ただ歌を口ずさんだだけでも使用料が発生するなどというエピソードが語られたりと、JASRACによる金儲けのようにしかみえない活動(もちろん曲解であるが)に対して、ウェブ上では「カスラック」と呼んで関わってはならないもののひとつとして定着するようになった。

しかしながら上記の事件(と言うほどでもないが)が起こってから何年も過ぎた今では、むしろ歩み寄ろうという形が自然と取られるようになった。JASRACは著作権管理を代行しているのであり、ゲーム制作会社に問い合わせなくともJASRACに使用料さえ支払えばアレンジしてもよいということである。初めの敵対意識さえ捨て去れば、当然ながらそれは法律に則った上で「グレーではなく潔白な」アレンジをするのに良い機会なのである。

動画サイトがブームになった今ではYouTubeやニコニコ動画、UstreamがJASRACと包括的利用許諾契約を結んでいるため、その利用はより身近なものとなっている。

ゲーム会社の対応

アレンジに対しては企業体の立場上、公にOKを出すことはほとんどない。しかし、かといってNGを出すこともない。もちろん問い合わせればNGと言わざるを得ないが、暴利を得ようとしない限りは「目をつむってもらっている」状況であるのが現状である。もちろんJASRAC管理曲を正しい申請によってアレンジした場合はこの限りではなく、れっきとした合法モノである。

しかしその中でも、アレンジ(二次創作)を公に認めている制作会社もある。詳細は各リンクを参照のこと。

逆にNGを出している制作会社もある。詳細は各リンクを参照のこと。

著作権法について

特に著作隣接権に関する項目は一度目を通しておきたい。出来ることなら一度、全文を熟読しておくべきである。